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最新無線LANで爆速ワイヤレス人生を満喫 第2回

より速く、より遠くへ! 無線LAN最新機器ベンチマーク

2011年09月21日 16時00分更新

文● 池田圭一

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450Mbps接続は、本当に高速か?

 今度は、最高450Mbpsの接続速度を誇る2製品について見てみよう。テスト1Bとは異なり、近い距離ではあるが遮へい物(本棚)をはさんだ隣室でテストを行なった。

テスト2A:450Mbps接続の実効データ転送速度(スループット)は?

 デュアルチャンネル(40MHz幅)および、3対3のMIMO(3ストリーム)に送受信の双方が対応していないと、450Mbpsでは接続しない。はたして、その速度は?

機種 10MB 100MB 500MB
LAN-WH450N/GR
送信
96.09100.14 107.63
LAN-WH450N/GR
受信
64.06187.09189.14
WZR-HP-G450H
送信
75.8279.2380.71
WZR-HP-G450H
受信
129.12149.13150.79

※使用機材
ロジテック「LAN-WH450N/GR」(5GHz接続時 405Mbps接続)
バッファロー「WZR-HP-G450H」(2.4GHz接続時 450Mbps接続)
※送信:ノートPC→デスクトップPC、受信:デスクトップPC→ノートPC、単位はすべてMbps

 MZK-WG300NXPUの2.4GHz帯においても450Mbps接続のデータを取りたかったが、ノートPC側との接続互換性の問題なのかどうやっても実現できず、5GHz帯利用時のデータにとどめた。

 今までのテスト結果からすると、実効データ転送速度は450Mbpsの約半分、220~230Mbpsは出るのでは? と予想していたが、残念ながら瞬間最大速度でも200Mbps程度であった。また、300Mbps接続の機種と同様に、送受信方向で違いが出ている。なかなか一筋縄ではいかないようだ。

 450Mbps接続では、一般的な有線LAN(100BASE-TX)の約2倍の実効データ転送速度となった。この速度でファイルをやり取りできるのであれば、日常的に使うなら十分な性能といえるだろう。

2.4GHz帯と5GHz帯、利用する周波数で違いはあるか?

 次は、2.4GHz帯と5GHz帯の違いだ。周波数が高い電波のほうが、単一時間により多くの情報を伝送できるという特性がある。一方で、高周波数の電波ほど直進性が強く遮へい物に弱くなる。先ほどのテストと同様の場所(親機の隣室)で、2.4GHz/5GHzの双方が同時利用できる2製品を試した。

テスト2B:2.4GHzと5GHz、利用する周波数帯による違い

 最高接続速度が異なる2機種で、11g/nの2.4GHz帯での接続と、11a/nの5GHz帯での接続を試した。どちらもチャンネルはオート(自動)で選択している。

機種 送信 受信 接続速度
LAN-WH450N/GR
2.4GHz
41.2742.10116
LAN-WH450N/GR
5GHz
101.29146.76405
AtermWR8700N
2.4GHz
94.22160.25300
AtermWR8700N
5GHz
87.65148.99207

※送信:ノートPC→デスクトップPC、受信:デスクトップPC→ノートPC、単位はすべてMbps

 ここでのベンチマークテストは、無線接続されたノートPCから有線接続のデスクトップPCへのデータ転送であり、無線LANは1経路しか使っていない。いわば、時間帯別の片側通行道路のようなものである。しかし、無線LAN接続された機器同士でファイル転送を行なう場合は、「子機A→親機→子機B」のように、無線LANを2系統使うことに注意してほしい。このとき同じ周波数帯の電波を使うと、道路の幅は変わらないのに上り下りの2車線道路のように使い分けられる。通信経路の帯域は半分になるため、実効データ転送速度も1/2になってしまうのだ。

 5GHzの場合、隣室であっても遮へい物(本棚)の影響なのか450Mbps、もしくは300Mbpsでの接続は達成できなかった。なお、LAN-WH450N/GRの2.4GHz帯はデュアルチャンネルが有効にならず、最高144Mbpsでの接続となっている。

 AtermWR8700Nの結果を見る限り、やはり5GHz帯のほうが遮へい物の影響を受けやすいことがわかる。また、テスト実行中も接続速度は頻繁に変わり、かなり不安定だった。なお、距離が近く電波が強すぎると反射波が干渉して、実効データ転送に悪影響が出ることが知られている。今回は各機種とも100%のフルパワー出力にしたが、場合によっては出力を絞ったほうが速度が出るだろう。

 無線LAN親機が2.4GHz帯と5GHz帯の両方をサポートし、かつ同時利用が可能ならば、子機側の対応可否にもよるが、2.4GHz帯の11b/g/nと5GHz帯の11a/nを、複数の子機で下図のように使い分けるのがオススメだ。

 2.4GHz/5GHzの両方を同時に使える無線LAN親機であれば、接続する機器ごとに周波数帯を使い分けるといい。そうしておくと機器間でのデータ転送で速度低下を引き起こさない。

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