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iPhoneがPhoneGapで簡易電子書籍リーダーに (4/4)

2011年09月21日 11時00分更新

文●古籏一浩

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複数ページ/複数のPDFを処理する

 最後に、複数ページのPDF、複数のPDFファイルを表示してみましょう。サンプルでは実際に私が販売している電子書籍PDFを例にします。

Adobe Illustrator CS3 + JavaScript 自動化サンプル集
http://www.openspc2.org/book/PDF/Adobe_Illustrator_CS3_JavaScript_Book/

 wwwフォルダ内にbookというフォルダを作成し、PDFをまとめて入れておきます。

【図】16.png

www/bookフォルダにまとめてPDFを入れる

 複数ページのPDFを表示する場合は、特別な処理やパラメータは必要なく、PhoneGap.exec()にPDFファイルのURLを指定するだけです。複数ファイルはリストタグを使ってそれぞれのPDFにリンクを張ります。クリックされたらChildBrowserでPDFを表示するようにイベントハンドラを設定します。今回はaタグ内にonclick属性で書いていますが、addEventListener()などイベントリスナーを使っても問題なく動作します。

 実際のプログラムは以下のようになります。作成したプログラムが動作するかどうかiOSシミュレータで確認します。

【図】17.png

PDFを表示するプログラム

【図】18.png

起動直後の画面。ここで表示したいPDFのリンクをクリックする

【図】19.png

PDFが表示される

【図】20.png

ピンチインで拡大表示できる。スクロールさせることで他のページも見られる


<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01//EN" "http://www.w3.org/TR/html4/strict.dtd">
<html>
 <head>
  <meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0, maximum-scale=1.0, user-scalable=no;" />
  <meta http-equiv="Content-type" content="text/html; charset=utf-8">
  <style type="text/css">
    ul { display :none; }
  </style>
  <script type="text/javascript" charset="utf-8" src="phonegap.0.9.5.1.min.js"></script>
  <script type="text/javascript" charset="utf-8">
  function onBodyLoad()
  { 
    document.addEventListener("deviceready",onDeviceReady,false);
  }
  function onDeviceReady()
  {
    document.getElementsByTagName("ul")[0].style.display = "block";
  }
  function openPDF(url)
  {
    var basePath = String(location);
    var path = basePath.substr(0, basePath.lastIndexOf("/"));
    path = path+"book/";  // PDFがあるフォルダ
    var pdfURL = encodeURI(path+url);
    PhoneGap.exec("ChildBrowserCommand.showWebPage", pdfURL);
  } 
  </script>
 </head>
 <body onload="onBodyLoad()">
   <h1>Illustrator+JS自動本</h1>
   <ul>
    <li><a href="#" onclick="openPDF('chapter1.pdf')">はじめに</a></li>
    <li><a href="#" onclick="openPDF('chapter2.pdf')">学習編</a></li>
    <li><a href="#" onclick="openPDF('chapter3.pdf')">プロパティ・メソッド対応図</a></li>
    <li><a href="#" onclick="openPDF('chapter4.pdf')">JavaScript基本編</a></li>
    <li><a href="#" onclick="openPDF('chapter5.pdf')">基本編</a></li>
    <li><a href="#" onclick="openPDF('chapter6.pdf')">応用編</a></li>
    <li><a href="#" onclick="openPDF('chapter7.pdf')">付録</a></li>
   </ul>
 </body>
</html>

実機での動作を確認する

 ここまででサンプルは完成したので、最後に実機で確認してみましょう。いつものようにiPhoneにアプリを転送します。実際に手持ちのiPhone 4で試してみると、PDFを読み込んで表示されるまでに3秒程度かかりました。サンプルのPDFは30MB以上あるので仕方ないところです。iPad 2であればもっと高速に読み込み処理できるでしょう。

 今回紹介したように、PDFをベースにした電子書籍アプリはPhoneGapを使うと比較的簡単に作成できます。以前の連載を参考にして、iPadにも対応させてみるとよいでしょう。

 それでは、また次回。

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