このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

最新ユーザー事例探求 第14回

サーバー構築と運用を効率化するサーバテンプレートの魅力

So-netのソーシャルゲームインフラを変えたRightScale

2011年09月21日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

大手ISPのSo-netでは、ソーシャルゲームのインフラとしてクラウドをいち早く導入している。最新作の「狩りとも」では、クラウド管理ツール「RightScale」を用いて、管理の大幅な省力化を図った。

「狩りとも」のインフラは
RightScaleで管理を自動化

「狩りとも」 (C)gamepot

 ソネットエンタテインメント(So-net)は、国内大手のインターネット接続サービスの事業とともに、グループ会社を通じてメディア・エンタテインメント分野のビジネスにも力を注いでいる。

 

 その1つがケータイ向けのソーシャルゲームだ。「狩りとも」は、Mobageのプラットフォームで展開されているモバイルソーシャルゲームで、2011年5月に公開されている。

 

 ソネットエンタテインメントのグループ会社ゲームポットでプロモーションを担当している布井雄一郎氏は、「レイドバトルと呼んでいるのですが、他のユーザーと協力して、巨大な敵をみんなでやっつけるのが特徴です」とのことで、MMORPGに近いイメージと説明する。

 

ゲームポット エンタテインメント第3事業部門 デジタルコンテンツ2部 サービス企画第2グループ 営業企画チーム長 布井雄一郎氏

 アプリケーション担当のゲームポット生田哲也氏も、「モンスターごとに倒すまでの制限時間が設けられています。短いやつだと、どんどん狩りともに応援要請をしないと、倒せないんです」(生田氏)とのことで、リアルタイム性が高く、画面のリロード数を高める仕様になっていると話す。

ゲームポット エンタテインメント第3事業部門 デジタルコンテンツ2部 生田哲也氏

 この狩りとものインフラを管理するツールとして、So-netが選定したのが、「RightScale」である。RightScaleでは、OSやミドルウェア、アプリケーションの設定をまとめた「サーバテンプレート」という機能がある。So-netでは、サーバテンプレートを用いることで、複数台のサーバーの設定や運用を簡素化・自動化し、大きなコスト削減を実現した。また、設定変更の履歴管理や設定ノウハウの共有も可能にしたという。

クラウドは導入しているが……
アプリケーションやミドルウェアの管理に課題

 もとより同社はソーシャルゲームのインフラとしてAmazon EC2やIDCフロンティア、GMOなどのIaaSを導入してきた経緯がある。今回RightScaleの導入を担当したソネットエンタテインメント サービス開発部 安田崇浩氏は、「あらかじめユーザーが多数存在しているソーシャルゲームの場合、サービスを開始した瞬間からPVが急増します。数台のサーバーからゆっくり増やすのでは間に合いません」とクラウド導入の必然性をこう説明する。

 

ソネットエンタテインメント システム技術部門 サービス開発部 安田崇浩氏

 オンプレミス型の構築ではサーバーを用意し、ラックを設置、配線を行なった後、OSのインストールまで時間と手間をかけなければならないが、IaaSを利用することで迅速にインフラを展開することが可能になる。また、リソースを柔軟に拡張・縮小できるため、ユーザーの増減にも迅速に対応できる。まさにクラウドの面目躍如といったところだ。

 

 しかし、OSのインストールまではよいが、その後のミドルウェアやアプリケーションのインストールや配置作業は、クラウドもオンプレミスも変わらない。しかもソーシャルゲームのインフラでは利用するサーバーも多く、設定や運用管理はきわめて大きな負荷がかかる。「狩りともではアプリケーションサーバーだけで30~40台を使っていますが、これらは基本的に1台1台コマンドラインでの設定する必要があります。パラメータを1カ所変更するのも、監視設定を追加するのも手動でやるのは大変なんです」(安田氏)。これらの作業の自動化は緊縛の課題であったため、Puppetといったオープンソースのツールも試したが、開発部全体で使うまでには至らなかった。

 

 また、こうしたインストールや設定作業が属人化している点も大きな問題だ。従来、クラウドでサーバーを調達する際、OSインストール以降の手順は、作業ログなどから構築手順書を作るという手はずを踏んでいた。また、導入後の設定変更が発生した場合は、構築手順書を修正することで対応していた。しかし、実際は構築手順書の品質がばらついていたり、メンテナンスがきちんと行なわれなかったといった問題が発生していたという。

 こうした課題から、アプリケーションやミドルウェアまで含めたサーバーリソースの調達を短くし、短期間でシステムを追加でき、なおかつ運用のミスを減らせるようなツールがないか調べていたところ、クラウドのイベントで発見したのがRightScaleになる。

 

(次ページ、サーバテンプレートがシステムの構築手順書になる)


 

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事
ピックアップ