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Amazon EC2へのレプリケーションが可能なARCserve Replicationも

Azureにバックアップ!クラウド連携強化のCA ARCserve r16

2011年09月09日 06時00分更新

文● 金子拓郎/TECH.ASCII.jp

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9月8日、CA Technologiesはデータ保護ソリューションの新バージョン「CA ARCserve r16シリーズ」を発表した。仮想、クラウド、および従来型の環境が複合的に組み合わされ、つねに変化し続けるハイブリッド環境に対応する製品で、特に仮想・クラウド環境への対応を強化しているという。

同日開催の発表会で「CA ARCserve r16シリーズ」のラインナップを解説するCA Technologies ストレージ・ソリューション事業部 事業部長の江黒研太郎氏

 CA ARCserve r16シリーズを構成するのは、

  1. ディスクベースのイメージバックアップ:ARCserve D2D r16
  2. バックアップ:ARCserve Backup r16
  3. レプリケーション:ARCserve Replication r16、ARCserve High Availability r16

の3製品だ。

 ARCserve D2Dは、Windows環境のシステム保護に特化した製品で、小規模システムのユーザーニーズにフォーカスしているという。サーバーやクライアントのディスクの内容を別のディスクにバックアップする製品のためテープ装置などは不要で、今回発表の新バージョンではクラウドへのバックアップ機能が追加された。

クラウドへのバックアップが可能なった「ARCserve D2D」

 バックアップ先のクラウドとして現在対応が発表されているのが、マイクロソフトのWindows Azure Platformと、アマゾンのAmazon S3だ。

 ただし、全データを毎回クラウドにバックアップしていては、データ転送料金もストレージ利用料金もかさんでしまう。ARCserve D2Dは利用頻度に応じたコピー条件の設定が可能で、長期保管が必要だがアクセス頻度が低いデータのみをクラウドに移動するといった運用が行なえる。

 仮想化関連では、これまではHyper-Vのみの対応であった、エージェントレスの運用がVMwareでも可能となった。これにより、仮想マシンに特別なエージェントソフトウェアを入れることなく、ホスト環境から一括して仮想マシンのバックアップが行なえる。復旧の際は、仮想マシン単位だけでなく、ファイルやフォルダ単位でも可能だ。

 また、ユニークな機能として「システムの自動スタンバイ」が可能となった。これは、バックアップしたイメージデータを仮想環境上でスタンバイしておき、バックアップ元の障害発生時などには、この仮想サーバーで業務を継続するものだ。バックアップ元が復旧したら、仮想サーバー上で生じた差分データをリカバリする機能も搭載する。

バックアップしたサーバーを仮想環境で運用する「システムの自動スタンバイ」が可能に

 ほかには、バックアップ対象がこれまではWindows Serverのみであったが、新バージョンからはクライアントWindowsに拡大。Windows XP/Vista/7のバックアップもまとめて行なえるようになった。

運用管理はWebブラウザから行なう

 価格は、8万円からとなっている。

 2製品目のARCserve Backupは、WindowsプラットフォームでNo.1の導入実績を持つという、テープ対応のバックアップ/リカバリソフトウェア。

テープバックアップも可能な「ARCserve Backup」

 新バージョンでは、こちらもクラウドへのバックアップに対応するほか、Windows PEを利用した復旧機能が加わった。Windows PEは組み込み向けWindowsの一種で、ARCserve Backupのインストールメディアに搭載されている。

 このため、インストールメディアからの起動が可能で、FDドライブを持たない環境でも、ネットワークを利用してシステムを復旧できる。これにより、ディザスタリカバリがより簡単に迅速に実施できるようになったという。

 ほかに、ARCserve D2Dとの連携を強化。ARCserve D2Dでディスクにバックアップしたデータを、ARCserve Backupでテープに保管する事が可能となった。

 ARCserve Backup r16の価格は、15万円からとなっている。

 最後のARCserve ReplicationARCserve High Availabilityは、本番サーバー(マスター)の内容をリアルタイムに複製先サーバー(レプリカ)にコピーすることで、業務継続を行なうソリューション。WAN環境での利用を想定した帯域制御機能などを搭載しており、遠隔地へのレプリケーションが手軽に実現できるという。

 新バージョンでは、遠隔地の拠点を持たない中小・中堅企業でも災害対策が行なえるよう、クラウドを利用する機能が加わった。対応するクラウドはAmazon EC2で、本番データをクラウド上の仮想マシンへレプリケーションできる。

 加えて、通信の暗号化も可能となった。これまで、特にWAN経由のレプリケーションでは、通信内容を暗号化するためにVPNを併用するケースがあった。新バージョンでは、この作業が不要となるわけだ。

オラクルやマイクロソフトのデータベース製品のようなあらかじめ登録されたアプリケーションだけでなく、Windowsのサービスから指定したアプリケーションの監視も可能となった

 価格は、ARCserve Replication r16の通常版が19万8000円から、ファイルサーバー専用版が9万8000円から。ARCserve High Availability r16は、通常版が39万8000円から、ファイルサーバー専用版が22万800円から。

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