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大規模サイトのWebディレクション術

2011年12月02日 11時00分更新

文●アンティー・ファクトリー

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 数千ページに及ぶような大規模サイトは、構造的な特徴によって大きく2つに分けられます。1つは、ECサイトに代表される、大部分のページの機能や目的は同じでも、掲載する数量に応じてページ数が膨大になるタイプ。もう1つは、消費者向けメーカーのサイトに代表される、商品・キャンペーン、会社案内、IR、採用、CSRなど、ページの機能や目的が多様で、コンテンツ自体が多岐にわたるタイプです。

 この節では後者のタイプにおいて、複雑になりがちな要件をまとめるポイントを紹介します。

多目的系大規模サイトの課題とポイント

 多目的系大規模サイトの場合、サイトの利害関係者はWeb推進室のような直接の担当者だけではありません。商品開発、営業・販売、広告・マーケティング、人事・採用、経営企画など、数十名にもおよぶことがあり、全員の利害を一致させるのはとても大変な作業です。また、大規模になればなるほど制作側はメンバーを揃えて一挙に制作を進めるので、途中からの仕様変更が難しく、調整が困難な場合もあります。そのため、スムーズな制作進行が最大の課題となります。

 進行がうまく行かないときに多いのが、クライアントサイドに十分な理解が得られていないケースです。多くの利害関係者が関わるサイト構築は、会社にとって新しく事業を構築するのと同様の難しさがあります。事前のイメージの共有が不十分だと、着手したあとに問題が発覚する場合がありますが、それから社内調整に取り組んでも時すでに遅しです。

 公開日が決定しているのであれば、制作側はプロフェッショナルとして、クライアントに理解を促し、先導しなければなりません。

チームの結束がなによりも大切

 予防策としては、初期段階に互いの認識を共有することが重要です。クライアントと制作の両者で構成されるプロジェクトチームを作り、チーム内で作業のリスト化や役割分担、作業フローを明確にして承認していくことで、チームに一体感が出始めます。同時に危機意識も共有され、結果としてチーム全体の動きが良くなります。テンションを維持することも大切でしょう。

 レギュレーションや取り決めは書面で交わすことが基本です。また、要件を具体化していく過程で難しい局面を迎える場合もあります。その局面に対して、チームが一丸となって取り組むことが、プロジェクトの成功につながります。

著者:アンティー・ファクトリー

アンティー・ファクトリーはWeb戦略だけでなく、タッチパネルやスマートフォンなどの各種インターフェイス・アプリケーション開発、次世代広告コミュニケーションの設計や開発を行っています。ワールドワイドなクリエイティブを展開し、発展しつづける会社です。

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