そんなの使わねー、まで盛り込んだ「VAIO Z」
使ってみて、初めて自分に必要な機能を知る「MacBook Air」
吉田 でもさ。オールインワンにはオールインワンのよさってあってさ、Airがエントリーになったら初心者は困るんじゃないか? とも思うんだよね。光学ドライブがないから「再インストール、どうするの?」とか。やり方はあるけど、そんなの普通の人が分かるわけないじゃん。「コマンド+R」を押せとか「オプション+R」を押せとか。だから初心者には分かりづらいな、と。
そこら辺、北米ならApple Storeが各都市にあるから。そこに行けばいいんですよ。お店で解決するし、そこですばらしさを実感して、うっかり騙されて買う人も一杯いるんです。日本の量販店は残念ながらそういう状況にはなってないよね。
でもホワイトのMacBookがなくなって、10万円以下で買えるMacっていま、AirとMac miniぐらいでしょ? どちらも光学ドライブがない。
後藤 ASCII.jp編集部の若者が11インチのAirを買ったけど、1ヵ月ぐらいでWindowsマシンに戻ってしまったそうじゃないですか! トラックパッドが違うとか、デスクトップのアイコンの並びがWindowsと違うとか、そういう些細な理由だったみたい。
広田 「ミーハーだからひとまず買ってみた」みたいなひ弱なユーザーはMacにいらぬ。
後藤 MacでもWindows入れられるじゃんって議論があるけど、結構なマニアじゃないとやってないでしょう。ソフトもイチから揃えなきゃいけないし。
広田 俺はぬくぬくとMac村で育ってきたけど、ナニも考えずに両刀で使えてますけどね。
吉田 安くていい製品だからという評判を聞いてAirを買ってみたけど、不便や不満でガッカリして結局Windowsに戻ってしまった、というのは避けないといけないよな。
後藤 さっきドライブの話が出ましたけど、せっかく薄くてかっこいいと思って買ったのに、後からケーブルの取り回しが不便な外付けドライブを買うはめになるっていうのは、ちょっと不憫ですよね。
広田 Mac好きならハードに体を合わせてほしい。
後藤 内蔵ストレージはどちらもSSDで、容量も同じくらいですね。CPUは店頭でCore i5の2.66GHzくらい。当然、標準電圧版。カスタマイズすればCore i7選べるけど、Airのあの金属筺体だとかなり熱くなるでしょう。その点VAIO Zは母艦にするにも十分な性能で、排熱機構も配慮されている。
吉田 AirにCore i7はバランスいいとは言えないかもね。
後藤 あとVAIO Zの解像度は直販モデルならフルHDが選べる。自分が買うなら絶対これ。
広田 そんなに細かいと、文字読めなくないですかぁ?
後藤 根性で読むのですよ。持ち歩くこともできるけど、外付けディスプレー付けて、キーボード付けて、外付けのストレージも付ければ十分デスクトップ代わりになる、つまり母艦になりうるPCということです。
吉田 Airは母艦にはならないよ。iPhoneとかiPadと同じで、どっかにデータを持って、処理速度の速い母艦がないとツライですよね。良さが生かせない。サーバーにデータは上げられるけど、もうひとつデータ上げるもの必要だよね?
広田 Macユーザーから見てうらやましいと言えば、WANとかWiMAXが内蔵できる点かな。Macはこの点弱い。
―― ここらで燃料を投下しましょう。このVAIO Zの上に「にょーっ」と出るソニー独自のメニューアプリはどうですか? Macユーザーに「真似っこかよ!」くらい言ってほしいんですが。
広田 (笑)なんすかこれ? 「Dock」のパクリ?(笑)
後藤 iPhoneだって通知領域とかやってるじゃないですか。
吉田 確かにあれをやっておいて、「Galaxyに販売差し止め」とか、ちょっとねー。
後藤 指摘される前に言っとくと、もちろんWindows側にも悪いところはある。ただ、こっちがずるいのは、OSが悪いと言われても、それはVAIO Zの悪いところじゃないんですよね。MacはOSも本体も全部Appleで作ってるので、良くても悪くてもアップルのせいでしょ(笑)
広田 OSというと、Lionはどーですかねー。個人的にはあまり語るところがないな。新しいUIが入っていいところもあるけど、ダメなところもないわけじゃない。
吉田 まあ今10.7.1だからね。10.7.3くらいで安定してくるかな。
広田 思い起こせばMac OS Xが安定したのも10.3ぐらいからですもんね(笑)。でもマジックタッチパッドのできはいいんですよ。
吉田 確かに全領域がタッチパッドになって、格段に使いやすくなった。
iPhoneよりでかいマジックトラックパッド!?
―― MacBook Airのトラックパッドって、面積でかい。ほら、iPhoneの画面よりでかいですよ。
広田 広い! VAIO Zよりかなりでかい。そして出来がいい。
吉田 昔の12インチはトラックパッドも小さかったけど、今はでかくなって使いやすくなった。前はここで「ピンチアウト、ピンチイン」ができなかったんだよね。でかくなってやりやすくなった。
── 色々話が出ましたけど、ここらで一度、軽くまとめましょう。MacBook Airってバランスの美学ですよね。対してVAIO Zは究極の美学というか、突き詰めて全部載せた、最高のものを作りあげたみたいな、そんな感じでしょうか?
吉田 Airはベストエフォート型なんですよ。VAIO Zを買って、やっぱりこれが足りなかったと後悔する人はまずいないかもしれない。こんな機能使わねーっていうのはあるかもしれないけど。逆にAirは買ってから足りないことに気付くことはあるでしょう。使い方によっては最高のマシンだけどさ。
── 選ばれた人だけが使うことを許される道具、ということですね。さすがアップル様。
広田 満足できなかった人は、15インチのMacBook Proにするとか、体で学びなさい、と。
吉田 逆にMacBook AirでCore i7選んじゃう人って、後悔しないために選ぶんだろうか。どうなんだろうね。
── それだとWindowsノートと変わらないじゃないですか。
吉田 日本人のMacユーザーは特にそういう傾向が強いみたいだけどね。販売店に行っても、標準モデルはあまり売れなくて、カスタマイズモデルばかり売れてるみたいな。AppleStoreでも、普通にカスタマイズモデルが売ってるからね。これはもしかしたら日本だけかもしれないけど。
後藤 結局Macって限られた機種の中から選ぶ感じになるでしょ? Windowsマシンは選択肢が多いから、トータルで使う人は多くなるはずです。iPhoneも4を買ったら、次は5まで買い替えられないけど、Androidはどんどん新しいのが出てくるから、1機種あたりのシェアはiPhoneが多くても、トータルするとAndroidが多数を占めるみたいな感じになってる。
── なんかまとまったような、とっ散らかったような感じですが、続きはUstreamでって感じで。
広田・後藤 皆さんのご意見も、待ってますぞ。
Ustreamの見どころはココだ!
徹底的に無駄をそぎ落とて、バランスの美学とデザインを追究した「MacBook Air」と、日本的技術力の粋を集めて圧倒的な詰め込み感を体現した「VAIO Z」。どちらも製品に止まらずメーカーや開発者、CEOにまで心酔する熱狂的なファンを持つだけに、議論が白熱することは必至。
読者の皆さんもこの両製品には言いたいことがあるはず。そんな熱いご意見を、アンケートページでぜひお寄せください。いただいた内容は9月1日午後7時からのUstream生放送の中で紹介させていただくことがあります。ご参加お待ちしております!