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MacPeople編集長が明かす、「Mac OS X Lion」の新事実

2011年08月30日 09時00分更新

文● 広田稔(kawauso3)、語り●吉田博英(MacPeople編集長)

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パーティション分割にまつわる、
さまざまな制約

吉田 細かな話を言えば、Boot Campを使っている場合も注意したい。Boot CampでWindowsをインストールしたあとに、さらに「ディスクユーティリティ」でSnow Leopard側のボリュームを2つ以上に分けている状況でLionにアップデートすると、一部の機能が使えなくなる。

── 一部の機能とは?

吉田 さっきの話に出た、再インストールに使う「Recovery HD」のボリュームが作られないとか、ディスクの中身を暗号化する「FileVault」が使えないって感じ。チェックした限りでは、ディスク識別子が問題になってるみたい。

 「ターミナル」や「ディスクユーティリティ」で確認すると分かるんだけど、Macのストレージは、ボリュームを切ると「disk0s1」とか「disk0s2」といったディスク識別子が付くんだよ。で、Boot Campをインストールした後にパーティションを切っちゃうと、Lion側で正しい識別子を付けられなくなる。

── 正しい識別子?

吉田 Lionでは、「Recovery HD」のボリュームに、数字が最も大きい識別子を振っているんだよね。この原則を守るために、Lion上でMacのパーティションを分割し直すと、「Recovery HD」の識別子も直したりする。Lionを導入する前にも注意が必要で、Boot Campのインストール後にSnow Leopardでパーティション分割していると、その辺の機能がうまく使えなくなるみたいだね。

── Lionにアップデートした後に、パーティションを切るんじゃダメなんでしょうかね。

吉田 それは大丈夫だと思う。ひとつのストレージでLion/Snow Leopardのデュアルブートにしたければ、Lionのインストール時に空のボリュームを作って、そこにLionをインストールすればいい。

 この辺は把握しにくいので、Lionに関するまとまった情報として、中上級者の方にも「OS X Lionインストール&再インストールの極意」はオススメしたい。

 たとえば、LionからSnow Leopardに戻すときも要注意。以前、すでに入ってるLionを消去して、Snow Leopardをインストールしようとしたらパーティションを切り直せなかった。なぜかというと、Snow Leopardに戻しても「Recovery HD」のボリュームが残ってるから。Snow Leopardまでのディスクユーティリティは「Recovery HD」の存在を知らないから、エラーを出しちゃうんだよね。

 とはいえ、「Recovery HD」が残ってるから、この領域から起動して、いつでもLionを再インストールできる。Snow Leopardだと「Recovery HD」から起動する「command」+「R」のショートカットが効かないから、「option」キーを押しながら起動してパーティションを選ぶことになるけど。

── なんかややこしいですね。

吉田 あと、再インストール関連では、「Lion復元ディスクアシスタント」が出たことも大きい。これを使えば、「Recovery HD」をUSB接続のHDDやUSBメモリーに完全コピーできるんだよ。内蔵ストレージがクラッシュして「Recovery HD」ボリュームが読み込めなくなっても、再インストールが可能っていう。従来はLionアプリのパッケージを開いてインストーラーを取り出す技を使ってたけど、その必要がなくなった。

 ただし、コピー先のディスク容量には注意したい。1GB以上のストレージに対応してるんだけど、このツールで「Recovery HD」をコピーしちゃうと、残りの空き容量がすべて不可視になって使えなくなる。例えば、250GBのHDDにコピーしちゃうと、249GBが使えなくなる。

── 使わなくなった古いUSBメモリーとかにコピーすると、いいかもしれないですね。

吉田 そうだね。

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