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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」第70回

iPhoneアプリ「ラップムシ」成瀬つばさインタビュー

190万ダウンロードのアプリ、無料じゃないと“もったいない”

2011年09月03日 12時00分更新

文● 四本淑三

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有料でアプリを販売する方がもったいない


―― 「サンプラーthe中野くん」と「サンプラーthe中野くんII」はどういう経緯で?

つばさ これは仲介する企業があって、アミューズさんとアプリを作る話になったとき、「こんな人がいるよ」みたいに企画で出してくれたらしいです。こちらの手描きテイストや世界観も大切にしてもらえましたし、良い経験になりました。収録も楽しかったですよ。

サンプラザ中野くん本人による「サンプラーthe中野くん」紹介

―― でしょうねえ。それ以外はすべて無料ですが、アプリでお金を稼ごうという気はないんですか?

つばさ アプリに広告を載せればお金自体は入るんですが、それは世界観を壊してしまうのでやるつもりはなくて。これがきっかけで、本当にたくさんのお仕事を頂けているし、その収益は別の形で出ていると思っています。


―― 他の仕事というのはどういうことをやっているんですか?

つばさ アプリ開発の仕事をいくつかいただいたりしているのと、あとはこのイラストで、「THE TOKYO ART BOOK FAIR 2011」での仕事を。今はリズムシさんのグッズ化の話も進んでいます。近々で言えば、Design Tshirts Store graniphとリズムシさんのコラボTシャツ企画も進行していたりするんです!

THE TOKYO ART BOOK FAIR 2011。今年は7/16〜7/18に開催されたアジア最大のアートブック(ZINE)マーケット。成瀬つばささんは、このイベントのメインビジュアルを担当

―― このリズムシさんのぬいぐるみは?

つばさ 前回イベントで売っていたものなんです。個人の学生がiPhoneアプリを作って、自分のプロモーションだけで頑張って、実用製品じゃなくてあくまでアート作品として作ったものが、キャラクタービジネスとしても展開できるというのは面白いのではないかと思っています。


―― それでも少しくらいアプリでお金を取らないともったいなくありませんか?

つばさ いまは有料でアプリを販売する方がもったいないぐらいです。特に個人で国内のターゲットしか考えられない規模だと。ダウンロード数も桁が変わっちゃうので、単純に知ってもらう可能性が低くなるのはもったいないと。


―― つまりプロモーションのためにApp Storeやアプリをとらえているということですよね。

つばさ そうですね。だから戦えている面もあるし、こちらはアプリ自体では元を取らなくてもいいと思っているので、無料でも時間と労力をかけられるんですよ。それがアプリでお金を回収しないと物が作れない会社からしたら……敵ですよね。

「有料でアプリを販売する方がもったいないぐらいです」

―― でも、これから同じようなライバルが出てくるかもしれないですよ。

つばさ いまアプリ市場が盛り上がっているのを見て、これで一発当ててやろうという人には負けないと思っています。私のアプリは今までの積み重ねで作っているものだから。


―― 今まで訓練してきた表現そのものだから、ということですよね。学生の身分が外れたらどうしますか?

つばさ フリーランスとして、なんとか作品の制作をお仕事にできそうな道が見えてきています。この活動を続けて、いずれは会社を作る可能性も考えています。リズムシシリーズ自体もどうなっていくかわかりませんが、音楽理論をインタラクティブなアプリケーションに落とし込む知識だったり、プログラマーとしての知識だったり、演奏の技術だったり、リズムシ以外にもお仕事の可能性はあると思っていて。


―― じゃあ起業をするわけですね。

つばさ そうですね。


―― IT系で起業というと、マインドがどうしたシナジーがこうしたという、PowerPointを使った空論ばかり聞かされているんで、すっきりしていて気分がいいですね。

つばさ 結局それも積み重ねの問題だと思うんですよね。IT系の人達も、時代が変わったところから勉強し始めているわけで、学生たちとスタートラインは同じじゃないですか。ものすごく蓄積があるわけでもないし。だから、学生にもチャンスはあると考えています。

成瀬さん公式サイト「オトノアソビバ」

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