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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」第70回

iPhoneアプリ「ラップムシ」成瀬つばさインタビュー

190万ダウンロードのアプリ、無料じゃないと“もったいない”

2011年09月03日 12時00分更新

文● 四本淑三

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ダムタイプの公演を観て演奏活動を休止


―― とりあえず吸収するものはしておこうと。

つばさ そうですね。同時に、学科の中で音と絡めた映像作品を作っている人もいましたし、自分自身も映像の勉強もして、アニメーション作品を作ったりしていました。音を扱ったインタラクティブなものへの指向が芽生えていったんですが、決定的だったのがダムタイプですね。

dumb type : 1984年に結成された日本のアーティストグループ。美術、映像、音楽、身体表現など様々な手段を用いて総合的なパフォーマンスを展開する。海外での人気も非常に高い。


―― ダムタイプの公演をご覧になったんですか?

つばさ はい、ゼミで映像を観て、“これはすごい”と。演奏活動をしていた頃は、自分自身のその場での感情を直接出せることをいいと思っていた面もあったんですけど。しっかりとしたコンセプトを打ち出して、たとえそれがマイノリティなものでも、たくさんの人の心を動かす圧倒的な作品になっていることに感動しました。それを見たことがメディアアートに転向するきっかけになって、4年生の時に演奏活動は休止してしまったんです。

成瀬つばさ「セカイノカタチ」(2009年)

―― それで美大に移ったんですね。

つばさ 作品の展示ひとつとっても、美大のほうが環境はいいだろうなと思って、多摩美を受験しました。それで今に至るというわけです。


―― ノートに絵を描いていたにしても、実際のプログラミングの経験はなかったわけですよね。覚えるのは大変じゃありませんでしたか?

つばさ ノートに絵を描いて自分でゲームを考えたりする中で、その仕組みを考えることを積極的にやっていて。昔のノートを見てみても、いろんなパラメーター設定が書いてあったり。

アイデアをスケッチしたノートは山のように重なっている

―― ははは、なるほど。

つばさ プログラミングの作業はしていなくても、頭の中では考えていたので。プログラミングの勉強を本格的にやったのは、大学4年の後期くらいからなんですけど、プログラミング自体のハードルは高いとは感じなかったです。


―― 目的に合ったプログラミング環境があればやれる、という状態だったわけですね。プログラミング自体は音楽を作る作業に似ているし。

つばさ そうですね。音大の卒業試験でインタラクティブなインスタレーション作品を作るのに必要だったので、そこでぐわーっと勉強したんですけど。それこそ朝から晩までプログラミングの勉強ですよ。楽器の練習をする感覚ですよね。


―― 手描きはいつ復活したんですか?

つばさ 美大へ行く前に、聴講生として音大に残ったんですが、その一年間の間にプログラミングの家庭教師をやっていた時期があって。そのためのサンプルプログラムとして、手描きイラストを使った音で遊べるものをと。そのときリズムシさんが登場しているんですが、それを人に見せたら、意外なほど好評だったので。

リズムシさんが誕生したのは音大時代。プログラミングの家庭教師をしていたとき、サンプルプログラムに登場したのが初だった

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