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2011年夏のスマホ「AQUOS PHONE SH-12C」ロードテスト 第3回

電子書籍端末としてもイケる SH-12CとGALAPAGOS App

2011年08月25日 12時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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専用端末の立場ナシ?
大画面+高精細で書籍も読みやすいSH-12C

SH-12Cで電子書籍を表示した状態。4.2型の画面サイズは、電子書籍を快適に読める

 GALAPAGOS Appの使い方は、基本的に電子書籍専用端末と同じだ。ストアのTSUTAYA GALAPAGOSで書籍・雑誌を選んで購入して、アプリ上で読む。電子書籍に関する機能はすべてGALAPAGOS Appで完結しているし、SH-12Cは4.2型と画面サイズも大きいので、使用感は5.5型のメディアタブレットと変わらない快適さだ。

SH-12C(左)とEB-W51GJで、同じ書籍を表示してみた。液晶ディスプレーはどちらも輝度最大状態。明るさや発色はかなり差がある。表示文字数はかなり違うが、画面が狭いはずのSH-12Cでも見やすさは劣らない

 基本的には左右のフリック操作でページを送り、ピンチ操作で文字サイズの拡大縮小ができる。しおりを挿入したりページ移動をする際には、SH-12C側のメニューボタンを押して(または画面をタップ)、メニューを表示してから操作する。旧バージョンのGALAPAGOS Appは、Androidのホーム画面や他のアプリに移動してから戻ってみると、読みかけの本が閉じられて本棚画面に戻されるという不愉快な仕様があった。しかし現在のバージョンではその問題も解消されて快適である。

 SH-12Cの液晶ディスプレーは、(スマートフォンとしては)大型かつ高解像度なうえ、発色や輝度も優秀だ。さすがは「液晶のシャープ」というところ。見やすいサイズで表示可能な文字数は、さすがに5.5型のメディアタブレットには及ばないが、実際に使ってみると、書籍に関しては画面の狭さを感じることはない。

 ただし、写真や図版を多用した電子雑誌を読むには5.5型でも狭いくらいなので、4.2型の画面は適当ではない。日経エレクトロニクスなどは、書籍のように本文だけを表示するモードがあるのでマシだが、そこまで手間をかけていない雑誌は読みにくい。書籍ならともかく、やはり雑誌を読むには7~10型級の画面が欲しいと感じる。

 最近では電車での移動中や食事時などに、SH-12Cにダウンロードしたコミックや小説を読むことが多い。5.5型のメディアタブレットは携帯に適したサイズだが、スマートフォンやパソコンとは別に持ち歩くというのは、なにかと面倒ではある。その点SH-12Cならば、同じGALAPAGOS用コンテンツを同じ操作感で楽しめるので、電子書籍も気軽に楽しめると言うわけだ。

使い勝手やコンテンツ同期には課題も

 GALAPAGOS Appで少々気になるのは、書籍表示中は画面全体が書籍表示で占有されてしまい、Androidの通知領域まで見えなくなってしまうことだ。メールの着信表示も見えないし、時計も表示できないので時間も把握できない(記者は腕時計を身につけていない)。これについては、通知領域表示を可能にするような設定オプションを用意してもらいたいところだ。

 もうひとつ改善してもらいたい点は、同一アカウントで購入した書籍の同期についてだ。メディアタブレットは本体で書籍を購入できるほか、Windows用ソフト「GALAPAGOS Station」での書籍購入や管理が可能になっている。しかし、GALAPAGOS StationはスマートフォンのGALAPAGOS Appに対応していないので、メディアタブレットやWindows上で買った書籍のデータを同期して、SH-12C側でも読むということはできない。

Windowsパソコン上でGALAPAGOSの電子書籍を管理、バックアップできる「GALAPAGOS Station」。ただしスマートフォンには未対応

 ではどうすれば同期できるのか? TSUTAYA GALAPAGOSで使うユーザーアカウントが同一ならば、購入履歴から購入コンテンツの再ダウンロードができるので、SH-12C側でも読みたい書籍をダウンロードすることでなんとかするしかない。再ダウンロードに期間制限がある場合は、制限内にダウンロードしないとまた買うはめになりそうだ。

 電子書籍の端末間の同期や再ダウンロードについては、コンテンツの内容や出版社側の意向の違いもあるため、一概に「同一アカウントならば、すべての端末で同期をできるように」とも言いにくい面はある。だがユーザーから見れば、「同じアカウントで買ったデータなのだから、どの端末でも読めるようにしたい」というのは当然の要求である。なんとか前向きな対応を希望したい。

 電子書籍専用端末のGALAPAGOSメディアタブレットも、つい先日待望の「Android 2.3化システムソフトウェア」が提供されたことにより、めでたくAndroid端末の仲間入りを果たした。期せずして記者の手元には2台のシャープ製Android 2.3端末が揃ったことになるのだが、SH-12Cの方が携帯性に優れるしAndroid端末としての動作も速いしで、メディアタブレットの方は立つ瀬がないといった状況だ。

 せめて10型のメディアタブレットならば、電子雑誌リーダーとしての活用もあっただろうか。4型サイズ前後のスマートフォンが当たり前となりつつある今となっては、5.5型の専用端末というのは難しい商品となりそうだ。個人的にはデルの5型タブレット「Streak」のような、5型サイズのスマートフォンがいろいろ出てくると嬉しいのだが……。

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