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鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第40回

3チューナー内蔵や外付けHDD対応など全5モデル登場!

早速チェック! スカパーHD!内蔵のソニーBDレコ秋モデル

2011年08月23日 13時10分更新

文● 鳥居一豊

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本格的にこだわったヘッドホン出力を採用した
ハイエンドモデル「BDZ-AX2700T」

BDZ-AX2700T

BDZ-AX2700T

 続いて、ハイエンドモデルのBDZ-AX2700Tを紹介しよう。本機は、従来のAX系モデルと同様に、AT系シリーズとは異なる大型シャーシを採用した、高画質・高音質モデル。基本的なデザインは大きく変わってはいないが、天板からフロントパネルまで一体化されていたアルミパネルは、天板(4mm厚)のみとなった。

 SKP75とは異なるのがスカパー! HDチューナーとの連携録画。3チューナー機共通となるが、3番組同時録画+スカパー! HDの4番組同時録画には対応していない(2番組同時録画+スカパー! HDの3番組までの同時録画は可能)。

ヘアライン処理されたアルミ天板部。電源ボタンとディスクトレイの開閉ボタンは上部に配置されている。ボタンの周囲に彫り込みを入れることで、前方からでも操作しやすくしている

ヘアライン処理されたアルミ天板部。電源ボタンとディスクトレイの開閉ボタンは上部に配置されている。ボタンの周囲に彫り込みを入れることで、前方からでも操作しやすくしている

 全体的な印象は、従来機の「AX2000」ではなく、もう1世代前の「X100」などに戻った印象だ。電源を落としてしまうとロゴマーク以外まったく見えなくなるノイズレスデザインに加え、アルミの地肌を活かしたシルバーの天板のおかげで、高級機らしい雰囲気がよく伝わる。

AX2700Tの背面。こちらも無線LAN/USB HDD用のUSB端子が増えている。端子のレイアウトはこちらも大幅に変わっているが、HDMI出力2系統の装備などは従来モデルと同じだ

AX2700Tの背面。こちらも無線LAN/USB HDD用のUSB端子が増えている。端子のレイアウトはこちらも大幅に変わっているが、HDMI出力2系統の装備などは従来モデルと同じだ

背面の電源コード部分。着脱可能なインレット式の採用に加え、同社のHiFiコンポーネントと同じ極太の電源コードが付属している

背面の電源コード部分。着脱可能なインレット式の採用に加え、同社のHiFiコンポーネントと同じ極太の電源コードが付属している

 背面にはSKP75と同様、外付けUSB HDD用と無線LANアダプター用のUSB端子が追加されている。内部の配置はかなり大きく変わっており、かなりの変更が加わっていることが予想される。

 一見した印象は、従来通りのソニーのハイエンドBDレコなのだが、このモデルはどうも身に纏う雰囲気が違う。アルミパネルの質感や仕上げのよさからくるものかと思ったのだが、じっくり見るほどに「異様」に感じる部分が多く、それが何かオーラのような雰囲気を放っている原因と感じた。

前面のパネルを開いたところ。左側にヘッドホン端子が追加されている。ビデオカメラなどとの接続用のUSB端子やメモリースティック/SDカードスロットも装備する

前面のパネルを開いたところ。左側にヘッドホン端子が追加されている。ビデオカメラなどとの接続用のUSB端子やメモリースティック/SDカードスロットも装備する

 その代表が、前面に追加されたヘッドホン端子。高級機とは言え、BDレコはVHSデッキからの流れを汲む、「一家に一台」レベルに普及すべき身近なAV機器だ。そうした機器が備えるヘッドホン端子は普通、ステレオミニプラグだ。

 ウォークマンの登場以来、ヘッドホンは同様に身近なオーディオコンポーネントとして普及し、現代ではiPodの普及のために、割と高価な高級ヘッドホンでも端子はステレオミニプラグということが多い。

 ところが、AX2700Tに搭載されたヘッドホン端子は、標準プラグだ。「ヘッドホン」という名称がないと何の端子か分からない人もいるかもしれない。もしかすると「業務用のモニターヘッドホンなどで採用されることが多い」という微妙に間違った説明をした方がわかりやすいと感じるほどだ。

 この端子に普通のステレオミニプラグのヘッドホンをつなぐには、わざわざ変換アダプターを手に入れる必要があり、身近なAV機器として考えるとあまり親切とは言えない。だが、AVアンプやプリメインアンプをはじめとする単品コンポーネントは、当たり前のように標準プラグが採用されている。

 わざわざ標準プラグを採用する理由は、接続部分が太くて長い方が信号ロスが少なく音にいいからだ。つまり、AX2700Tもまた、他のBDレコとは違って単品コンポーネント基準で開発されているのだと考えられる。

普通のヘッドフォンで
バーチャルサラウンドを楽しめる

 新規に採用されたヘッドホン出力は、実はアナログオーディオ出力用の基板とは独立した専用のヘッドホン出力回路が搭載されており、そこには、オーディオ出力と同じく32bitD/Aコンバーターを専用に備えた本格的なものだ。見栄やハッタリでわざわざ標準プラグを採用したわけではない。

 さらに、AX2700Tだけの機能として、最大7.1chのバーチャルサラウンド機能を備えている。これも、BDソフトなどの信号をきちんと7.1chにデコードしてから、サラウンド化を行なう本格的なもの。サラウンド技術は、同社の薄型テレビなどでも採用されている「S-FORCE フロントサラウンド 3D」だ。

 このバーチャルサラウンド機能がヘッドホンにも採用されている。こちらはソニーのバーチャルサラウンドヘッドホンに採用されている「VPT」(Virtual Phones Technology)技術によるもの。これだけ徹底的にこだわったからこその標準プラグ採用というわけだ。

 BDレコに装備されることが少ないヘッドホン端子にここまでこだわるということは、オーディオ出力回路も、映像回路もすべて徹底してこだわっているに違いないと思わされる。期待度満点で画と音の実力をじっくりとチェックしようと思ったのだが、残念ながらまだ開発中のため見ることができなかった。

 ちなみに、基本的な概要としては、アナログオーディオ系は32bitD/Aコンバーターを新採用。デジタルオーディオ系はHDMIを2系統(映像と音声)、独立して伝送するなど、従来の技術を熟成させたものとなっているようだ。

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