鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第40回
3チューナー内蔵や外付けHDD対応など全5モデル登場!
早速チェック! スカパーHD!内蔵のソニーBDレコ秋モデル
2011年08月23日 13時10分更新
スカパー!の多チャンネル放送を「おまかせ・まる録」!
EPGの表示も快適な「BDZ-SKP75」
BDZ-SKP75は、スカパー! HDに加入しているユーザーにはかなり魅力的に感じるモデルだろう。スカパー! HD用のチューナーとしては、HDD内蔵で2番組同時録画が行なえる「TZ-WR320P」(パナソニック製 販売価格3万2800円)があるが、大きな違いと言えるのが番組検索機能。ソニーのおまかせ・まる録が使えるのだ。
平たく言ってしまえば、ソニーのBDレコにスカパー! HDチューナーを内蔵したのだから、録画予約などのインターフェースがBDレコと同様になるし、検索機能も同じになるのは当たり前の話。ところが、これが大きい。
TZ-WR320Pを別とすれば、それまでのスカパー! HDチューナーは、番組表が貧弱で毎週録画をするのが精一杯という始末。表示も遅いので録画予約が極めてかったるいのだ。対してBDZ-SKP75は表示速度が快適だし、チャンネル別の1週間表示もできる。これだけで、同じソニー製のスカパー! HDチューナー(DST-HD1)を使っている筆者は涙が出るほど感激してしまった。
しかも、おまかせ・まる録が使えるので、ジャンルやキーワードによる自動録画が可能。スカパー! HDはパックセットで契約するとかなりの数のチャンネルが視聴できるようになるが、これらの番組表をすべてチェックするのは不可能に近い。それだけに自動録画が頼りになるのだ。
好きなタレントやアイドルの名前を登録しておくだけで、番組表の情報を総ざらいして検索して録画を行なってくれるのはとても快適だ。しかも、スカパー! HDの録画でありがちなリピート放送を重複せずに録画してくれるからうれしい。
第1話を見逃してしまった場合でも、第2話から番組名を指定して予約をすれば、リピート放送の第1話を探して録画してくれるなど、当然ながら録画機能は大幅に向上している。
そして、CM部分と本編部分を自動でチャプター分割する機能にも対応するし、ダイジェスト再生も可能。携帯電話やウォークマン、プレイステーション・ポータブルなどに番組を転送できる「おでかけ転送」にも対応しており、録画と同時に転送用のファイルを作成することも可能だ。
もちろん、長時間録画も可能だ。もともとスカパー! HDはMPEG-4 AVCの8~6Mbps前後の転送レートで放送されるチャンネルが多いので、地デジなどよりも大量の番組を保存できるが、転送レート約3Mbpsの「LR」モードや約2Mbpsの「ER」モードを使えるので、よりたくさんの番組をまとめて保存するには重宝するだろう。
なお、TZ-WR320Pとの違いで言うと、SKP75はシングルチューナーなのでスカパー! HDのダブル録画はできない。これは少々物足りない。そして、実はチューナー機能にはかなり違いがある。
まず、録画や視聴ができるのは、HD放送されているチャンネルのみ。SDチャンネルは受信できないのだ。また、LAN接続による外部のBDレコーダーやNASへの録画はできず、DLNAクライアント機能も持っていない。つまり、スカパー! HDの録画はSKP75のHDD(および外付けUSB HDD)のみとなる。
とはいえ、単体でBDに保存することまでできるのはTZ-WR320Pにもない特徴なので、このあたりは使い方に合わせて選ぶといいだろう。
基本的な録画機能の仕様としては、地デジ/BS/110度CSのダブルチューナーによる録画と、スカパー! HD録画はすべて同時に行なえる。ダブル長時間録画+スカパー! HD録画の3番組同時録画が可能だ。
一般的な家庭ならば、SKP75が1台あれば十分快適に使えるだろう。外部チューナーが不要になり、稼動しているレコーダーが1台で済むというのは、省エネ的な意味でもなかなか有効だと思う。
スカパー! HDの視聴者でないと、その良さがわかりにくいかもしれないが、BDレコでできることがそのままスカパー! HDの録画でも行なえるようになったことの価値は大きい。TZ-WR320Pに買い換えようかと迷っていた人にとっては、かなり魅力的な選択肢が増えることになっただろう。
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