このページの本文へ

週刊 PC&周辺機器レビュー 第114回

意外な名機!? フルモデルチェンジしたThinkPad X121e

2011年08月19日 12時00分更新

文● 池田圭一

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 実際に使っていても、ウインドウの切り替えやアプリケーション動作は高速で、ストレスを感じない。さらにThinkPad X1xxシリーズでは、初めて「Enhanced Experience 2.0」に対応しているのもうれしい。Windows 7の起動と終了もかなり高速だった。

 驚いたのがHD動画の再生だ。筆者はCore i3-2357Mを採用したノートパソコンを触った経験が他にないため、これがCore i3-2357Mの実力なのか、それともレノボの独自機能によるものか判別できないが、再生性能がとてもいいのだ。

 720pのHD動画をスムーズに再生しながら、CPU負荷はわずか4%前後。バッテリーで動かしても同様で、省電力マネージャーで電力消費を目一杯抑えても、低消費電力のままHD動画を再生できた。省電力モードでCPU動作は制限しても、(CPU内蔵の)GPU動作は制限しないのか、むしろGPUのオーバークロックにより省電力のまま高パフォーマンスを発揮しているのだ。

720pのmp4映像をWindows Media Playerで表示。CPU内蔵のHD Graphics 3000が効果的に処理するため、CPUにはほとんど負荷がない

省電力マネージャーで省電力設定にしてHD動画を表示。左下のメーターに注目。CPU動作を61%に抑えながらもGPUを157%使っている、このときの消費電力がわずか6Wというのも驚きだ

 また、MMD(MikuMikuDance)によりグラフィックス性能を確認してみたところ、ACアダプター使用時で62fps、バッテリー動作時(省電力性の向上)でも60fpsと、誤差の範囲にとどまっている。ウインドウ操作が快適なのは、メモリー増強やHDD高速化だけが理由ではないようだ。

MMDで表示能力をチェック。62fpsはなかなか好成績だ

メンテナンス性も高いが
ThinkPadに慣れたユーザー向けか……

本体底面とバッテリー。6セルバッテリーに合わせた筐体設計となり、駆動時間を重視して6セルを選択しても持ちやすさを損なわない

 X121eにおける改良ポイントは、電源、特にバッテリーにも注目したい。X100eやEdge 11では、本体背面にすっきり納まる3セルバッテリーではバッテリー駆動時間があまりに短く(実測では1~2時間程度)、6セルを付けるのが実用的であった。しかし6セルでは本体からみっともなく出っ張ってしまう。

 一方、X121eは6セル前提で設計されたようで、本体後部のふくらみに満容量62160mWhの6セルバッテリーがぴったりと納まる。ちなみに、ディスプレー部のヒンジも設計変更されていて、X121eでは180度の開閉ができなくなっている。とはいえ、これはX100eやEdge 11に6セルバッテリーを積んだときも同様である。なお、量販店向けモデルではバッテリーパックの大きさは変わらないが、軽い3セルバッテリーを標準搭載する。

 バッテリーでの駆動時間は、インテルCPU+HDD搭載モデルの場合、6セルで最大約7.7時間、3セルでは約3.8時間となっている。フル充電した6セルバッテリーを装着した状態で、「省電力マネージャー」の設定や負荷を変えながらバッテリー残量の予測値を見たところ、次のようになっていた。

省電力マネージャー設定 状態とCPU負荷 消費電力 残量(使用時間)
最大の省電力 待機(2%) 5W 7時間42分
パフォーマンス 高負荷(100%) 15W 4時間08分

この連載の記事

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中