ハンゲームは濃いコアユーザーを見捨てない!
―― コアなファンも多い人気作でありながら、人によっては「敷居が高い」と感じるカルネージハートがいきなりハンゲームのラインナップに登場したことに驚いているユーザーもいると思います。このタイトルをチョイスした理由を教えてください。
及川 「オンラインゲーム、特にブラウザーゲームでは手軽なゲームが流行となっている中で、思いっきり流れに逆らってますよね(笑)。現在、オンラインのゲームは、だんだんとスマートフォン向けのソーシャルゲームに移行しています。この動きは避けられません。
でもハンゲームは日本一のゲームポータルサイトと自負しているところがありますので、がっちりとした歯応えのあるカルネージハートのようなゲームをないがしろにはできません。
スマートフォンという新しい要素を前向きに開拓していく流れがある中で、我々はしんがりも同時に務めることでユーザー層を厚くして、ゲームポータルとしての価値を上げていけたらと考えています」
―― なるほど。外ではスマートフォンで軽く遊びつつも、家ではカルネージハートのようなタイトルをがっちり遊ぶという選択肢もあると思いますし、そういった意味でハンゲームがどちらかに傾かず、どっしり構えてくれるのは頼もしいと感じます。実際、CBTでの反響・手応えはいかがでしたか?
及川 「かなりありました。想定した以上の方が遊んでくれましたね。意見も多くいただいて、CBTからオープンβテスト(OBT)に移行するにあたっては、お客様の意見を中心にゲームをブラッシュアップできました。プレイヤーに大人の方が多く、信頼できる意見だったので、大変参考になりました」
―― 今後の予定、展望などを教えてください。
及川 「OBT時には、特設ミッションをクリアしたユーザーで賞金100万円を山分けというイベントを開催しました。アートディンクさんのスタッフがガチで作った敵データを倒せ! という。
まあ“売り上げの特定の%分しか景品を出してはいけない”という法律(景品表示法)がありますので、売り上げの発生しないβテストでしか、ここまで大掛かりなことはできないのですが(笑)。
サービス開始後、しばらくは大きなイベントの予定はありません。まずは課金アイテムの販売を開始して、その後はプレイヤーの動向を見ながら、ゲームをより良い方向にブラッシュアップしていく形になるかと思います」
ブラウザ版オリジナルOKEへの期待も
―― まずはシリーズの既存ユーザーを取りこんでいくというお話でしたが、新規ユーザーを獲得する策は?
及川 「やはりゲームの内側からという観点では、Pドロイドなどのビジュアル的に映える要素で新規ユーザーにアピールしたいと思っています。また、具体的な話はまだ何も挙がっていませんが、タイアップで人気マンガ・アニメキャラクターの姿をしたPドロイドを登場させたりしたいです。
メカが好きな方に向けては、ブラウザ カルネージハート専用のOKEをラインナップさせたいですね。OKEのデザイナーである横山宏さんに、またデザインいただけると最高なのですが(笑)。
さらにゲームの外側、たとえばハンゲームのサイトなどでは“選手権”のような形で盛り上げていきたいですね。カルネージハートを使ったショーのようなものを展開できればと。
仮にプロレスに例えると、“試合をする人”と“観戦する人”がいる。観る人はプロレスができなくても楽しめる。そういった感じで“観戦する人”が『自分でも戦ってみたい』と思うようになってくれれば成功なのではないかと思います」
―― いろいろと夢は大きく広がりそうですね。美少女型Pドロイドのねんどろいどとか(笑)。
及川 「それは欲しいです(笑)。まだ実現性は低いのですが、弊社ではスマートフォンのアプリ開発にも力を入れ始めているので、ブラウザ カルネージハートでもプログラム専用アプリを作りたいなあと。出先でプログラムを組んで自宅で確かめる、なんて展開も夢見ています」
―― それは便利ですね。期待します! では、最後に読者に向けてメッセージをお願いします。
及川 「ストイックに16年間ゲームシステムを貫き続けたカルネージハートは、ファンの方々が何年経っても遊び続けられている内容の濃いゲームです。それだけ丁寧にきちんと作り込まれているゲームですので、ファンの方々だけではなく初めて触れられるお客様にも、ぜひブラウザ カルネージハートを遊んでいただけたらと思います」
―― 本日はありがとうございました。
ブラウザーゲームのイメージを変える一作
今回は8月18日の正式スタートに向けた話を聞きに行ったのだが、図らずも“ゲームポータルとしてのハンゲームの姿勢”といった貴重な話も伺うことができた。
既存ゲームのブラウザーゲーム化でありながら、本作にはハンゲームのチャレンジングな試みを垣間見ることができる。甘くはないゲームだが、一度プレイして、ハンゲームの意気込みを感じ取ってもらえたらと思う。
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