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“使えるスマホ”を叶えるアイテム研究所 第2回

録音するなら必携!? スマホ専用ピンマイク&ガンマイクを試す

2011年08月15日 12時00分更新

文● 行正和義

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やっぱりマイクのあり/なしでは音が断然違う!

裏面がクリップになっており、襟元などに留められる。取材などで相手に必要以上にマイクを意識させないのも重要な配慮だ

裏面がクリップになっており、襟元などに留められる。取材などで相手に必要以上にマイクを意識させないのも重要な配慮だ

 スマートフォンに装着して実際に内蔵マイクと外部マイクでそれぞれ録音した音を聴き比べてみると、その違いはすぐに実感できる。

 内蔵マイクでは構造の違いなのか、人の声を重視した設計のためか、高音が若干抑えられていて、結果的にややこもった印象なのに対し、AT9902iSではかなり高音域まで再現されている。

 特に、マイクから離れた人の音声に関しては、どうしても内蔵マイクではくぐもった声(遠くでごにょごにょいっているような感じ)になりやすいのだが、高音が残ることによって自然でクリアな声に聞こえる。

スマホに装着してみると本体以上の長さになる。ある意味、かなり本格的な印象だ

スマホに装着してみると本体以上の長さになる。ある意味、かなり本格的な印象だ

 超指向性のAT9913iSとなると、さらに音はクリアとなる。といってもAT9902iSと聞き比べても音域が広い印象はあまりないのだが(もちろんスマホの内蔵マイクとは明らかに違う)、なにより強い指向性は取材などで使いやすそうだ。

マイク部が長いこともあってスマホ本体のマイクよりも風の音が拾いやすいように感じたが、防風スポンジでかなり改善される

マイク部が長いこともあってスマホ本体のマイクよりも風の音が拾いやすいように感じたが、防風スポンジでかなり改善される

マイクの根元部分は手前側に約30度、後側に約90度程度の可変が可能となっており、スマートフォンを手に持って録音する場合、マイク部を若干下向きに使う

マイクの根元部分は手前側に約30度、後側に約90度程度の可変が可能となっており、スマートフォンを手に持って録音する場合、マイク部を若干下向きに使う

 会議室などのオフィスや家庭内、屋外などでは、エアコンの空調音、窓の外を車が通りすぎる音、PCや電子機器のファンといった生活雑音が思いのほか存在し、普段は無意識のうちに閉め出していても、録音結果を聞くと非常に気になってしまうもの。

 超指向性マイクを使うことで、話者などの音源に向けたときはしっかりと声を拾ってくれる。また、特に(これはICレコーダなどでも同様だが)手持ちで利用した際に手と端末がこすれる音、机に置いたときに机からの振動などが低減されるのはかなり大きい。

今回使用した「PCM録音」。その名の通りPCM形式で録音できるアプリだ

今回使用した「PCM録音」。その名の通りPCM形式で録音できるアプリだ

サンプリングレートは8000~48000Hzの間で設定可能

サンプリングレートは8000~48000Hzの間で設定可能

録音したファイルをメールに添付して送ることもできる

録音したファイルをメールに添付して送ることもできる

 レコーディングアプリは有料・無料さまざまなものがあり、記録形式やビットレートもさまざまだ。今回は「PCM録音」(無料)というAndroidアプリで試したが、音質を気にする人はアプリにもこだわるといいだろう。

 もっとも、あくまでイヤフォンマイク端子入力なので、当然ながらモノラルとなる。このため、ICレコーダ高級機のように自然音や生演奏を録音したいと考えるようなユーザーにはかなり物足りないところもあるだろう。

 そこまで本格的な“生録”派とまではいかなくても、もう少しだけ聴きやすい音で講演会や発表会の録音したい、または周囲の雑音をなくしてムービー撮影をしてみたいといった用途には向いているだろう。

スマホでの録音にこだわるならオススメだが……

 気になるのはAT9913iSが7000円と、ややお高く感じるところ。もちろん音響機器にある程度の性能を求めるならばこれくらいのお値段はまだ安いほうと言えるだろうが、ICレコーダーの価格もかなり手頃になってきている。

 少なくとも、携帯電話内蔵マイクよりも高品位なスレテオマイクが内蔵されていて、なおかつスマートフォンよりもさらに小さな録音機が1~2万円台で入手できてしまう。

 もちろん、すべてをスマートフォン1台に集約したいという人もいるだろうし、スマホなら録音してすぐにメールで転送するなど、応用しやすくはある。そのあたりのコストパフォーマンスも含めて用途に応じた導入を考えたい。

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