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開発者の情熱! スマホ&アプリ、サービスの生みの親に直撃! 第4回

数多くの苦悩から誕生したAndroidホーム「Palette UI」

2011年08月18日 12時00分更新

文● 二瓶 朗

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──どのような意見がありましたか?

松本 たとえば、スマートフォンには多くのアプリがプレインストールされていますが、中には削除できないアプリがあると。それらに関して、せめて整理できるようにならないか? という要望がありました。それを解決する1つの手段として、このグループ化機能が盛り込まれました。Androidスマートフォンの場合、不要だけどもアンインストールできないアプリというのはどうしてもありますので、それらは「使わない」グループに整理する、というような解決方法の提案というわけです。

──ほかにもそのようなアイデアはありますか?

松本 初代Xperia(SO-01B)では、アプリ一覧でアイコンがアルファベット順に並んでいて、ユーザーはまったく変更できなかったんですね。それに対する疑問や改善の声がありました。そういう意見をくんで、Palette UIではアプリをグループ化で整理することもできますし、アイコンの順序を自由に並べ替えることもできます。

──そういったユーザーの声はどうやって参考にしているのでしょう?

松本 実際にユーザーにインタビューをしています。Androidスマートフォンは、不慣れなユーザーにとっては多くの違和感があると思っています。たとえばGoogleアカウントの登録だったり、ステータスバーを上からスライドさせて開く作法だったり、アフォーダンス(与えられる説明)のない操作が数多く、それらの点がドコモショップやユーザーサポートに寄せられます。我々としては、それらを解決する方法を常に探っています。その解決策の1つが、このPalette UIだと思っていただければと思います。

──フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行の際、「使いにくい」という意見が多いのは男性と女性ではどちらでしょう?

松本 それに関しては正確にどのぐらい、という数字はないのですが、FOMA端末利用者でいうと、男女比は55:45ぐらいでした。この中で、スマートフォンへ移行する意識が高いのは、現時点では男性ユーザーだと認識しています。そして、男性ユーザーでスマートフォンへの興味が高い人はすでに移行していると予想されます。弊社は、本年度のスマートフォンの販売目標を600万台としておりますが、そうなると男女関わらず、スマートフォンへの移行を迷っているユーザーへ訴求していかないといけませんね。その観点でいえば、Palette UIは必ずしも男女どちらかを重視しているということはない、と捉えていただければ。

──今後は既存モデルのスマートフォンに、Palette UIを提供することはあり得ますか?

松本 今のところは難しいと考えています。評判によってはあり得ることではありますが、実際のところ、プレインストールの形でないと提供できない機能があり、追加で提供すると大きな制限が生じてしまうためです。

ホーム画面を長押しして表示されるメニュー。追加できる要素がPalette UIでは6種類になっている

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