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ゲームPCを安く作るならAMD Dual Graphicsを活用すべし!

2011年08月26日 12時00分更新

文● 宇野 貴教

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ベンチマーク環境

 AMD Dual Graphicsのシステムは、1万円前後のビデオカードでパフォーマンスアップが見込める魅力的なものだが、実際の効果を予想するのは難しい。そこで今回は「AMD A8-3850」とAMD Dual Graphicsに対応する3種類のGPUを搭載するビデオカードを用意し、AMD Dual Graphics有効時と無効時の両方でベンチマークテストを行なってみよう。

テスト環境
CPU AMD「AMD A8-3850」(2.9GHz)
マザーボード A75MA-G55(AMD A75)
メモリー Corsair「TW3X4G1333C9A」(DDR3 PC3-1066 2GB 2枚組)
ビデオカード MSI「R6670 Twin Frozr SE V2」(Radeon HD 6670)
MSI「R6570 Twin Frozr Mini 1G」(Radeon HD 6570)
MSI「R6450-MD1GD3 LP」(Radeon HD 6450)
HDD Seagate「ST3160812AS」(160GB)
電源 Thermaltake「Toughpower QFan 650W」(650W)
OS Windows 7 Ultimate SP1(64bit)

3DMark11

 最初のテストは3D性能計測の定番であるFutureMarkのグラフィックベンチマーク「3DMark11」だ。今回はエントリクラスのGPUがメインなので、プリセットは「Entry」と「Performance」の2種類でテストを行なっている。

3DMark11(単位:Socre) better→

 今回ビデオカードとして用意したGPUでいちばん3D性能が高いRadeon HD 6670だが、AMD Dual Graphicsにより30~35%ほど高速化していることがわかる。ここまでくるともうエントリクラスではなく、ミドルレンジの下位モデルに近い性能と言っていい。
 Radeon HD 6570とRadeon HD 6450は、AMD Dual Graphicsによりワンランク上のモデルナンバーに近い性能が出ており、AMD Dual Graphicsはかなりの効果があるとみていいだろう。

DiRT 3

 コードマスターズのオフロードレーシング「DiRT3」は、ラリー競技をフィーチャーする「DiRT」シリーズの最新作だ。ここではゲーム内でのベンチマークモードを使った平均フレームレートを計測している。計測設定はMULTISANPLINGを「2x MSAA」、描画プリセット「HIGH」で、解像度は1280×720ドットと1920×1080ドットの2パターンで計測している。なお、ベンチマーク中のデモ内容が毎回微妙に異なるので、3回ずつ計測し中間の数値を結果として採用した。

DiRT 3(単位:fps)better→

 描画プリセット「HIGH」でもかなり軽めのようで、APU内蔵GPUだけでも1280×720ドットならプレイに問題ない約36FPSをマークする。AMD Dual Graphicsを利用時はすべてのビデオカードでフルHD解像度でも30fpsを超え、実ゲームにおいてもAMD Dual Graphicsがとても有効なことがわかる。特にRadeon HD 6670とのAMD Dual Graphicsは約55fpsで、まさにヌルヌルとなめらかに動作する。軽めの3Dゲームにおいて、AMD Dual Graphicsは効果的に作用してくると言えるだろう。

オフロードレーシングゲーム「DiRT3」の日本語マニュアル付き英語版は8月26日発売予定だ

AMDが開発に協力したゲームだけあって、AMD Dual Graphicsとの相性もバッチリ

ファイナルファンタジーXIVオフィシャルベンチマーク

 MMORPG「FINAL FANTASY XIV」の快適さを計測するFINAL FANTASY XIV OFFICIAL BENCHMARKでは、なかなか面白い結果が得られた。このベンチマークテストはマルチGPU(CrossFire)に対応していないようで、AMD Dual Graphicsでのパフォーマンスアップ効果が見られない。このことから、AMD Dual Graphicsはすべてのゲームタイトルによっては効果がないことがわかる。

FinalFantasy XIV Offical Benchmark(単位:Socre) better→

 CrossFire非対応ゲームの場合は片方のGPUしか使われていないが、APU内蔵かビデオカード搭載GPUのどちらを使うかは自動的にパフォーマンスが高い方が使われるようだ。たとえば、Radeon HD 6670とのAMD Dual Graphicsでは、Radeon HD 6670が使われていると推測されるスコアが出ている。逆に、Radeon HD 6450とのAMD Dual Graphicsでは、APU内蔵GPUが使われていると推測されるスコアだ。
 このことから、AMD Dual Graphicsが有効でない場合は、単体でのパフォーマンスが高い方のGPUを自動判別して利用すると思われる。ユーザー側がどのGPUを使うかを意識する必要がないのは、ありがたい配慮と言える。

ローコストで3D性能をワンランク上にできる
効果的なグレードアップ手段

 AMD Dual Graphicsが有効なゲームタイトルであれば、セットで利用するGPUのワンランク上のモデルナンバー並み、もしくはそれよりもやや上程度までパフォーマンスがアップすることがわかった。また、キューブケースやスリムケースなどでLowProfile対応ビデオカードしか搭載できないというユーザーにも、数少ない3D性能向上手段として重宝する。
 AMD A8-3850でAMD Dual Graphicsを利用できるビデオカードはいずれも1万円を切る価格であり、ローコストで3D性能をアップさせたいライトゲーマーにはかなり魅力的なアップグレード手段と言えるだろう。

1万円以下の出費でGPUの性能アップが体感できるのはすばらしい。気軽にプレイできるカジュアルタイトルを好むライトゲーマー層に広くオススメできる

 

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