超解像技術で3Dの立体感がさらに際立って再現!
続いては高画質技術だ。3D対応に合わせて、高画質回路も「ピクセルマネージャーEX」に進化した。これは超解像技術をはじめとする映像処理を3D映像の表示にも適用できるようになったもの。
3D映像は本機の“フレームシーケンシャル”方式の場合、左右の独立した映像を交互に切り替えて表示するが、3D超解像では右目と左目の映像のそれぞれを独立して処理を行なうことがポイントだ。
2つの映像は同じようでいて、視差のために微妙に見え方が異なっており、映像のぼやけ量も違っている。
これをそれぞれ分析して、ぼやけのないフォーカスの合った映像部分には超解像処理を強めに、ぼやけの多い部分は超解像処理を弱めにかける。このため、フォーカスの合った部分はより精細でリアルに、ぼやけた部分はあまり精細感を高めないため、立体感がより強調されるというわけだ。
実際に超解像技術のオン/オフを比較視聴してみたが、画面全体を均一に高精細化するのではなく、フォーカスのピタリとあった手前のオブジェクトや道を歩く人だけが特に精細度が上がり、3D映像特有の奥行き感が増すように感じた。
逆に画面全体にフォーカスの合った映像では画面全体の精細感が増す。3Dの見え方は広々とした見晴らしの良さや奥行き感ではなく、そこにいる人々や家などオブジェクト同士の距離関係がよりはっきりと再現されるようになる。
このように、さまざまな映像の撮り方に合わせて、最適な映像処理を行なうため、3D映像の臨場感はさらに増す。
圧巻だったのは、比較的接写に近い撮り方で、オブジェクトに近づいた映像。飛び出して見える果実と、奥に引っ込む葉っぱとの遠近感もさることながら、飛び出す果実が肉眼で見ているようなリアルさで目に飛び込んでくる。表面のでこぼこした感じが明瞭になり、手触りまでも伝わるような感触にはちょっと驚いた。
また、効果をわかりやすく感じるため、オフと効果最大の5で試したが、効果最大でも不自然な強調やノイズが発生することも少ない。超解像処理はメーカーによっては効果最大では不自然さを感じるものもあるが、本機のピクセルマネージャーEXならその心配は少なそうだ。
ピクセルマネージャーEXは、3Dだけではなく2D映像の実力も高めている。超解像処理は映像の精細さを高めるため、効果を高めすぎるとノイズ成分まで強調されてしまうことがあり、精細というよりザラザラして見づらい映像になってしまいがちだ。
その点、ピクセルマネージャーEXは映像分析の精度を高めることでノイズを間違えて強調しない処理が行なえるようになっている。ノイズを増やす心配がなくなったので、超解像による精細さの向上の効果もより高めているそうだ。
確かに、これまでの超解像技術に比べ細部の再現性は格段に高まっていると感じた。もちろん、ノイズのざわざわした感じが気にならないのは従来通りだ。
スマホ連携が大きな付加価値に
他社よりも多少出遅れたものの、ようやく3Dテレビも投入したのは、今までのアナログ放送終了に向けて急いでテレビを買い換えるスタイルから、じっくりといいものを見極めて購入するスタイルに変わるユーザーの動きに対応したもの。
その点を考えても、先進性の高いスマホ連携を搭載した点は大きな付加価値と言えるだろう。もともと、日立のテレビ録画モデルは、DLNAサーバー/クライアント対応など、ネットワーク機能が充実しているなど付加価値が高かったが、本機になってさらにお値打ち感が高まったと感じる。
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