Facebookをチャネルとして評価するために知るべきこと
まず、いいね!ボタンで始まるユーザーの流れを図解して整理します。
コンテンツを気に入ったユーザーが「いいね!」をクリックすると、紹介文とリンクがFacebook上に掲載されます。共有したリンクが何人によって閲覧されるか(インプレッション)は、いいね!をクリックしたユーザーの影響度やタイミングによって変動します。閲覧したFacebookユーザーがタイトルや紹介文に興味を持ってクリックして初めて、元のページへのアクセスが増えます。
このうち、Facebookのインサイトで調べられるのは前半の青い部分「いいね!クリック数」「インプレッション」「クリックスルー」のみです。Facebookによって増えた訪問がサイトのゴール達成(コンバージョン)に貢献したかを判断するためには、次のような事象を把握する必要があります。
- Facebook経由で初めてサイトを訪れた「新規訪問者」は増えたのか?
- 初めての訪問後、サイトに戻ってきているのか?
- 長期的にはコンバージョンに至っているのか?
どのような指標をどう並べればこれらを効率よく判断できるのか、具体的にレポートをプロトタイプしながら考えてみます。
チャネル比較のためのレポートのイメージ
Facebookを他のチャネルと比較できるように、次のような指標を定義しました。
チャネルを比較するための指標
- 新規訪問:人数
- そのチャネルで初めて訪問した人数
- 新規訪問:累計訪問
- そのチャネルで初めて訪問した後、チャネルを問わず再訪問した回数を足し上げた累計
- 直接コンバージョン数
- 新規/リピートに関わらずそのチャネルで訪問し、同一訪問内でコンバージョンに至った回数
- アシストコンバージョン数
- 初訪問後、別のチャネル経由で再訪問してコンバージョンに至った数を足し上げた累計
Facebook経由でサイトを初めて訪問した=いいね!ボタンがクリックされなければ訪問しなかった新規見込み客を獲得できた、という考え方に基づきます。新規訪問数よりもさらに重要なのは、初訪問後にサイトにどれくらい戻ってきているか(再訪問した回数)、です。サイトに定着したかどうかが分かります。さらに3か月や半年などの長い期間でのコンバージョンが長期的、間接的な効果と貢献度であると今回は定義します。
コンテンツのソーシャル効果を評価するために知るべきこと
チャネル評価の結果、「ソーシャルメディアは投資の価値がある」と判断した場合は、改善を重ねることでソーシャル経由の訪問を最適化し、コンバージョンを増やせる可能性があります。最適化のためには、以下のようなことを知る必要があります。
- どんなコンテンツがソーシャルで広まりやすいのか?
- どんなコンテンツがコンバージョンに貢献しやすいのか?
そこで、次のようなレポートをデザインしてみました。
コンテンツ評価のためのレポートのイメージ
コンテンツを比較するための指標の定義
- 訪問
- そのページが訪問された回数(いいね!のクリックとは無関係)
- 広めた人:いいね!クリック
- そのページでいいね!がクリックされた回数
- 広めた人:いいね!率
- いいね!クリック÷訪問
- 集まった人:いいね!新規訪問
- いいね!の結果Facebookに表示されたリンクをクリックしてサイトを初めて訪問した回数
- 集まった人:いいね!コンバージョン
- いいね!の結果Facebookに表示されたリンクをクリックしてサイトを初めて訪問し、その後サイトを再訪問してコンバージョンに至った数
コンテンツ評価のための指標を「広めた人=いいね!をクリックしたユーザー」、「集まった人=Facebook経由で訪れたユーザー」に分けて考えます。「いいね!率」は、ページを訪れたユーザーのうち、「いいね!」をクリックしたユーザーの割合で、ページが共有される確率を表します。タイトルや本文の書き方、トピックの選び方を工夫すれば、ある程度コントロールできるはず、という想定です。
「いいね!新規訪問」は、Facebookで広まることで新しく獲得できた新規ユーザー数です。最後の「いいね!コンバージョン」は訪問を超えた累計のコンバージョン数であり、最終的な効果といえます。この指標が大きいページにサイト内で優先的に誘導したり、広告でランディングさせる、などの施策が考えられます。