背水の陣で望む、Windows Phone
重点分野といわれるコンシューマ製品のなかでも最重点製品に位置づけられるのが「Windows Phone 7」である。
日本マイクロソフトの樋口泰行社長は、「失敗が許されない事業。これが失敗したら、この市場には二度と入れない」と、不退転の決意での市場参入を打ち出しながら、Windows Phone 7の事業に本腰を入れて取り組む姿勢を示す。そして、「スマートフォンの市場は、まだまだこれからの世界。いかようにも挽回できる」と自信をみせる。
2011年4~6月の主要各社の業績発表によると、米アップルのiPhoneの販売台数は前年同期比で2.4倍となる2033万台となり、同四半期において、全世界で最も多くのスマートフォンを販売した。
また、Androidで展開する韓国サムスンは、スマートフォンの販売台数を前年同期に比べて6倍にも拡大。今後Windows Phoneへの戦略転換を打ち出したノキアをかわして2位に躍り出た。前四半期ではノキアが首位だったことに比較すると、iPhone、Androidの躍進が際立つ結果となったとも言えよう。
さらに調査会社の米ガートナーの発表によると、2011年度のスマートフォンのOS別シェアは、Androidが38.5%とトップシェアを獲得すると予測。iPhoneも19.4%で2位になると見ている。
これに対して、Symbian OSのシェアは下降し、BalckBerryも減少。iPhoneとAndroidという2強の流れができ始めた市場において、後発となるWindows Phone 7がどう切り崩すのかが、これからの注目点となる。
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