操作性に関しては、改善を望みたい点も……
以上、音質面では満足度の高いKS-1HQMであった。
これだけの音が出る点には正直驚かされたし、ちょっとしたミニコンポ(それもセパレートタイプの結構な高級機)と比較しても遜色ないように思える。パソコン周りだけでなく、普段づかいのコンポとしてもいいのではないだろうか。
が、実際に使用するといくつか気になる部分もあった。ひとつは操作性の部分。USB DACやデジタルアンプなど主要な回路は右側のスピーカーに収められており、前面のタッチパネルでソースの切り替えや音量の調整も可能になっている。
しかしここの反応が悪く若干ストレスがたまる面があった。リモコンも用意されているが、物理的なつまみがあるIconに比べるととっつきにくさを感じる。また、音量に関しては目盛や数字などはなく、視覚的に把握できない。このあたりは改善してほしい部分だ。
また台座には十分な重量があるが、摩擦感が少なく置き場所によってはしっかりと位置が決まらない。フエルトなどを間にはさめばいい話だが、布やゴムなど滑りにくい素材をかませてもらったほうが安心感は増しそうだ。電源ケーブルは太いが、ここは音質へのこだわりでもある。
高品質USBケーブルとの組み合わせで、音の改善も?
最後にパソコンとスピーカー本体をつなぐUSBケーブルに関しても触れておこう。本体には標準的なUSBケーブルが付属しているが、クリプトンは音質改善効果があるとして、KS-1HQM用の高音質USBケーブルも販売している(関連記事)。
今回はこちらのケーブルを使って試聴してみた。効果に関しては、自分の耳で確かめてもらうのが一番だと思うが、少なくともアイパターン特性にこだわった高品質なケーブルであるのは確かだ。
クリプトンでは、このケーブルのモニターキャンペーンを実施しており、参加した104名の感じ方をまとめている(関連サイト)。これはKS-1HQMの購入者にケーブルを送付し、普段聞いている環境で標準ケーブルと差し替えて使った印象をアンケートで聞いたものだ。
結果は実にそのうちの89%が音質の変化を感じたとのことで、解像感の向上や空間の広がりを実感しているようだ。音質に関しては主観に左右される面が多々あるし、ちょっとした姿勢の変化でも聞こえ方は変わる。複数回聞けばそのぶんだけ、聴き逃していた音の情報に気付きやすくなるだろう。
同社もこれは絶対的な優位ではなく、主観的な意見だとしているが、ちょっと驚かされる結果だった。