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Core i5搭載、“5万円”Macの実力は?—新「Mac mini」

2011年08月05日 21時00分更新

文● 小山安博

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光学ドライブを廃止

 前述の通り、従来まで搭載されていた光学ドライブのDVDスーパーマルチドライブ(SuperDrive)は廃止された。アップルの希望どおり、音楽や映画をすべてiTunes Storeでまかなっているユーザーであればともかく、まだ音楽CDのリッピングやDVDビデオの閲覧、データの交換やバックアップでDVDメディアを使うシーンはある。必要であれば外付けの光学ドライブを設置することはできるが、その場合Mac miniの省スペース性が犠牲になる。もしくは、OS X標準のドライブ共有機能を使い、LAN内にある別のマシンの光学ドライブを共有して利用する形だ。

 光学ドライブを廃止した割には、本体自体のサイズは特に変わっていない。とはいえ、音楽リッピング用マシンがほかにあるようなユーザーや、パソコンでBlu-ray Discでビデオを見たいというユーザーでなければ、Mac miniは、省スペースでコストパフォーマンスの高いマシンとして十分役立つだろう。

Thunderboltポートを新たに搭載

 Mac miniには、背面にThunderboltポートが用意されている。新型Mac miniと同時発表された「Apple Thunderbolt Dislplay」を使えば、Thunderboltケーブルでディスプレーと接続して映像を表示できる。さらに、Apple Thunderbolt DislplayをUSB接続の外付けHDDに接続して利用する、といったことも可能だ。

「Apple Thunderbolt Dislplay」。27インチサイズで、価格は8万4800円

背面。電源ボタンは左端。中央のHDMIポートの右側にあるのがThunderboltポート。右端はSDXCカードスロットで、その下にあるヘッドホン端子はiPhoneのマイク付きヘッドホンに対応し、「Skype」などで利用できる

Thunderboltポートは、稲妻のアイコンとともに配置されている

 Thunderboltは、インテルが開発したI/Oインターフェースで、高速なデータ転送が可能なことに加え、同時に複数のプロトコルを伝送できるため、異なる周辺機器を数珠つなぎで接続できるのが特徴だ。ディスプレー側インターフェースがDVIやアナログRGB、HDMIのどれであっても、Thunderbolt自体はすべての信号を伝送できるので、複数の端子を端末に用意する必要がない。Mac mniも、変換アダプターを介することでDVIおよびアナログRGBのディスプレーに接続できるようになっている。

 このほか、HDMIポートを採用しており、TVなどへの出力が可能。音声出力も可能だ。HDMI-DVIアダプターが付属するので、通常のディスプレーへの接続はこちらを使えばいい。SDXCカードスロット、USB2.0×4、FireWire 800(IEEE 1394b)×1、オーディオ入出力も搭載している。通信機能としては無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n)、1000BASE-T、Bluetooth 4.0もサポートする。

 さりげなくBluetooth 4.0を採用しており、最新技術へのサポートは素早い。Thunderbolt対応、光学ドライブの排除を含めて、よりシンプルさを追求した結果といえるだろう。

 SDカードスロットが背面にある点は、使い勝手よりデザインを優先した結果だろうが、いずれにしてもフラットでシンプル。美しい外観とコンパクトさに似合わないハイスペックなモデルであり、しかも5万円台まで低価格化しているのは大きな魅力だ。

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