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レノボ・IdeaPad Tablet K1の担当者に聞く

タブレット市場は開拓段階、後発でもいい

2011年08月25日 09時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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パソコンが数万円で買える時代、タブレットは高級品

── タブレット製品は昨年から機種数が大幅に増えていますが、爆発的なヒットという状況はまだありません。そういった状況でIdeaPad Tabletは何を目指すのでしょうか。

櫛田 「IdeaPad Tablet K1がまず目指すのは、個人の中でもハイリテラシー層になると思います。そのニーズに応えられる、エンターテインメント性が高く、使い勝手にも優れたものを作りました。

 タブレットの市場は開拓段階です。だから今回の製品がどのように受け入れられるかはメーカーとしても興味深い。注意深くニーズを探っていきたいと考えています。

 パソコンの低価格化が進む中、ノートPCでも3万円台で買える製品が出てきています。5万円弱のタブレットはぜいたく品と言ってもいいでしょう。つまり、ハイリテラシー層とは、これより安いノートが市場にあるにも関わらず、(今後新しい市場を担っていく)タブレットを持ちたいと考える層です」


── タブレット分野でIdeaPadシリーズが目指すものは何でしょうか。画面サイズはいくつかありますが、その中ではCPUなどの基本仕様はほぼ共通ですから、ハード面での差別化は難しいと感じますが。

櫛田 「今後の市場という意味では、ユーザーからのフィードバックをサンプリングして、一番先に改善していく。その速度の勝負になると考えています。レノボはこの分野では最後発となりましたが、逆に言えば一番であることは必ずしも重要ではないと判断したとも言えます。これから立ち上がっていく市場だから、最初に勝てばそれで終わりというわけではありません」


日本ならではのニーズを見ていきたい

── 日本市場ならではのニーズについて、どう考えているのでしょうか。

櫛田 「例えば内蔵フラッシュの容量ひとつとっても、日本の市場では32GBがいいのか、16GBで十分なのか……といった議論があると思います。3G回線についても、中国なら必須でしょうが、iPadなどを見ても現在では50%を切るぐらいの割合です。日本ではそれほど高い需要があるとは言えない面があります」


── 3G回線の話が出ましたが、回線契約込みでキャリアから買うスマートフォンに対して、タブレットは量販店で無線LANモデルを購入するスタイルが中心になるでしょうね。固定の通信費がかかる3Gモデルは現在の料金体系では割高に感じますし、それなりの画面サイズがあるので常に携行するには重くかさばる。

 今年はスマートフォンが大きく普及したので、年末にはほとんどのユーザーがスマホ持ちという状況になるでしょうが、タブレットの市場が本当に成長するのは、来年以降。少なくとも1~2年はかかると思います。タブレットはスマートフォンの便利さを実感したユーザーのうち“何割か”が、自宅などで使うより大画面の端末がほしいと考えて買うようになるでしょう。

 スマートフォンの不満点を補うという点に注目すると、自宅で動画やゲームをより大画面で楽しみたいというニーズがすぐに思い浮かびます。この2点だけができればいいというメーカーもあるようです。いずれにしても無線LANだけがあればいい。また、ビジネス用途(プレゼンなどで外出先に持っていく場合)でも、スマホやWi-Fiルーターとの2台持ちでテザリング機能などを利用するのが主流になると思います。

櫛田 「もうひとつ自宅ではパソコンの代替という部分も大きいと思います。タブレットにはスリープ状態からの復帰が速く、すぐに使えるという利点があるので、即時性を求める部分ではパソコンを置き換えて行くと考えています。例えばブラウザーを使って調べものをしたり、写真や資料などを表示させてみせるといった用途に最適です。

 大きな用途としては、2台目のパソコンとして外出先に持ち運ぶといったもの。家庭内でのコントローラといった用途もある。そしてクラウドサービスとの連携がキーになってくると思います」

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