真のモバイル端末を実現する最近の手法としては、使い易さを重視してノートパソコンを小型・軽量化する方向と、ポケットに入るタブレット端末を大型化する方向の2種類のアプローチがある。前者が「VAIO Z」や「ThinkPad Edge」などとすれば、後者は「スレートPC」タイプの端末と言えばよいだろうか?
スレートPC的発想を元に、小型ノートの利点も加えるという富士通の解答が、今回レビューする「FMV LIFEBOOK TH40/D」(以下TH40/D)である。
厚さ17mmの本体はスレートPCとして使いやすい
まずは予備知識を仕入れないまま、TH40/Dを箱から取りだしてみた。手に取ると、「電子書籍ビューワーの新製品か?」と思うほど薄い。本体サイズは247×188×17.4mm(スレート状態)で、質量は約1.1kg。裏面は黒一色で金属の冷たい触感があり、ディスプレーの周囲外側を銀色でまとめたシンプルなデザインだ。大画面タブレット機として、なるほど使いやすそうな雰囲気がある。
惜しむらくは、額縁部分が広くて液晶ディスプレーの表示部分が狭いことだろうか。スレート端末を持ち歩きながら使う場合は、片手でかかえ持って、もう片方の手で操作するスタイルが普通だろう。そうした持ち方をする場合に、画面に指がかかったり、タッチセンサーが誤動作しないように、あえて額縁部を広くしたのかもしれない。
ただ、10.1型ワイドディスプレーの表示解像度(1024×600ドット)は、明らかに狭い。あまり高解像度ディスプレーにすると、システムメモリーに対するビデオメモリー占有量も大きくなるが、1366×768ドット程度はほしかった。
側面に目をやると、電源ボタンやUSBポート、メモリーカードスロットやHDMI出力などが並ぶ。有線LANポートはないが、無線LANの普及状況を思えば大きな問題ではないだろう。

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