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速くて便利! 実測でわかるモバイルデータ通信 第2回

下り最大42Mbpsは爆速!? ソフトバンクの「ULTRA WiFi」を実測

2011年08月04日 12時00分更新

文● 宇野貴教

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中継アンテナが普及していない
ビル内は厳しい?

 予想外だったのは商業ビル内がすべて圏外になってしまったことだ。入り口や窓のそばは大丈夫なのだが、フロア中央に進むにつれアンテナの数は減少していき、10mほど進むとアンテナ0本~圏外になってしまう。

 この状態では当然ながらインターネット接続は不可能でテストも実行できなかった。これは新規整備の1.5GHzを使っているため、まだ屋内の中継アンテナが設置されていないと推測される。ちなみに、データし放題対応エリア外の場合は自動的にサブエリアに切り替わるが、それでも圏外だった。

 とは言え、商業ビル2Fのフロア中央で接続できないのでは、屋内に弱いと言われてもしょうがない結果だ。ビジネス利用などで席が窓から遠い場合は、モバイルルーターを窓際に置くなどの工夫が必要になるかもしれない。

 最も標準的な環境に近い筆者のマンションでは、下り速度約6Mbpsで安定していた。ULTRA SPEED対応エリア内なのだが、屋内だと最大速度は出にくいようである。

 ただ、6Mbpsはモバイルルーターとしては優秀な部類で、Web閲覧など特に不満は感じない。巨大ファイルのダウンロードをあまりしないのなら、ブロードバンド回線をモバイルルーターに置き換えても問題ないレベルだ。なお、Googleへのファイルアップロードは91秒程かかった。

 意外だったのはビルの谷間でも十分な速度が出ていたことだ。アンテナは2~3本で頻繁に変動していたが、ベンチのテストは5Mbpsで通信が切れることもない。

 ただし安定して5Mbpsが続くわけではなく、かなりの頻度で約1Mbpsまで速度が落ちているようでWebサイト閲覧は多少重くなったりするが、それでも悪条件下としては十分な速度である。Googleへのファイルアップロードは110秒程となった。

今後の対応エリア拡大に期待

 ULTRA WiFi SoftBank 007Zは、ULTRA SPEED対応エリアであればおおむね5~10Mbps程度の速度が期待できると言ってよいだろう。

 理論値を考慮するともう一声ほしいところだが、モバイルルーターとしては高速な部類であり、モバイルだけでなくブロードバンド回線もこれ1本に集約できるポテンシャルを持っている。

 対応エリアの狭さも都市部であれば問題なく、今後も順次拡大予定なのでビジネスメインであれば問題はないだろう。

 気になるポイントは屋内に弱いことと、連続通信時間が4時間とバッテリーの持ちが短い点だ。特にノートPCが今や6~8時間当たり前の時代になっているのに、その半分程度では少々心もとない。運用時はUSBポート出力が可能な外部電池を合わせて準備したい。

 加えて、パケット量の制限についても注意したい。ソフトバンク網での月間通信量が3000万パケット(約3.6GB)を超えた場合、翌々月の通信速度が制御される可能性があり、またイー・モバイル網での1日の通信量が300万パケット(約366MB)を超えた場合、当日の21時から翌日の2時までの通信速度が制御される可能性がある。 このあたりも考慮しておこう。


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