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アプコンはロマンだ! DVDも携帯ゲームも大画面で楽しめっ!! 第2回

豪華なアプコン! AVアンプで映像も音も迫力アップ

2011年08月02日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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画質に関しては価格差ほどの差はないが……

 今回のAVアンプのアップコンバート機能についてまとめると、画質はヤマハ「RX-V2067」が好印象で、オンキヨー「TX-NA579」とパイオニア「VSA-921」はほぼ同等と感じた。遅延はどの機種も問題なしという点で同じ。入出力端子はヤマハが一番多いが、オンキヨー、パイオニアとも上位機種になれば入出力端子は増えていく傾向にあるので、価格帯の影響が大きいだろう。

 予算に余裕があり、音の点にもこだわりたいならば、AVアンプのグレードにも気をつけたい。逆に言えば、音質の点は必要十分でいいならば、価格による画質差は音に比べて少ないので、無理に高額なモデルを選ぶ必要はないとも言える。

 このあたりは、将来的に5.1chサラウンドまで想定するか、あくまでも良質なステレオスピーカーを接続し、2ch再生でテレビの音もグレードアップできれば十分と考えるかでおのずと決まってくるだろう。

AVアンプ経由でゲームをするための注意点その1
遅延が気になるならテレビ側の倍速設定をチェック

倍速(120Hz)以上の駆動が可能な液晶テレビの場合、オン/オフの設定があるはずなのでチェックしてみよう

倍速(120Hz)以上の駆動が可能な液晶テレビの場合、オン/オフの設定があるはずなのでチェックしてみよう

 筆者自身、AVアンプの高画質性能を改めて思い知ったのはつい最近のことで、正直なところAVアンプの画質に注目していなかったのはまったく不勉強だったと反省した。

 特にSDソースやPSPなどの低解像度なゲーム(さらに言えば、YouTubeなどのネット動画)の高解像度化については、なかなか優秀な実力を発揮することがわかった。SDソースほどの際立った差はないかもしれないが、HD映像の高画質もかなり期待できる。

 これは(最新・最高級のテレビでもない限り)テレビの画質をさらに高めてくれるものと言える。

 ここで、AVアンプを経由してゲームを行なう場合の注意点をいくつか挙げてみたい。今回のテストでも行なっているが、AVアンプ側での表示遅延の発生が仮にゼロだとしても、テレビ側での表示遅延が解消されるわけではない。

 HDMI接続では映像と音を自動的に同期させる機能もあるが、この機能は遅れた映像に合わせて音を遅延させる方向で作用するので、テレビ側の表示遅延が大きいとフォロー仕切れない可能性がある。

 実際、我が家で試したときは、映像に合わせて音まで遅れるので、音に合わせて操作してもタイミングがずれ、映像を見てちょっと早めのタイミングで操作するようにしても、今度は耳に入る音楽とのリズムのずれを感じ、なんともプレイしにくい状態になってしまった。

 そのための対策としては、液晶テレビの場合は倍速表示(正確には動画補間)をオフにし、そのほかの映像処理回路でオフにできるものは可能な限りオフにする。こうすることで、遅延を最小限度に抑えることができる。

 実は、これを自動的にプリセット設定にしたものがテレビの「ゲームモード」の正体でもある。現有のテレビのままで試せる遅延対策なので、「画質については我慢するけど、遅延だけは我慢できない」という人はお試しあれ。

AVアンプ経由でゲームをするための注意点その2
音質が気になったら「リップシンク」をチェック

AVアンプの設定メニューから「Lipsync」を選択

AVアンプの設定メニューから「Lipsync」を選択。手動で音と映像のズレを修正してみる

 もうひとつ、HDMI伝送により音質が劣化する可能性がある。これはわりと微細な差ではあるが、気になると我慢できないレベルの音質劣化が生じる。

 HDMI伝送では、映像の“MHz”単位のクロックが基本で、音声は“kHz”単位のクロックであるにも関わらず、映像のクロックに合わせた(つまり決して正確ではない)タイミングで伝送されている。

 これがHDMI伝送の登場初期に指摘された「HDMIは音が悪い」という理由のひとつ。現在のHDMI伝送は音声クロックの乱れを最小にするための工夫などが盛り込まれているし、極端な方法としては、映像と音声をそれぞれ別のHDMIケーブルで独立して伝送することで影響を排除する手段もある。

 こうした高音質化が、自動で映像と音声のズレを正す機能によって効果が半減されてしまう可能性がある。この場合、AVアンプには手動で映像と音のズレを補正する「リップシンク」(またはA/Vシンク)機能が備わっているので、手動でズレを合わせてやるといい。

 こちらの場合、映像の信号のクロックを参考にするわけではないので、音声信号のクロックにはあまり影響はでない。きちんと合わせるには、映像・音声のチェックを行なえるディスクソフトなどが必要になるが、ゲームのプレイに支障がないレベルで構わないならば、聴感で大体合わせ込むだけでも効果はあるだろう。

 さて、最終回となる次回は、いよいよ最新の液晶テレビ&ディスプレーによる高画質化をテストする。リーズナブルな単体アップコンバーター、音質のグレードアップもできるAVアンプと、それぞれに独自の魅力はあるが、映像の問題はディスプレーで解決するのがもっともシンプルだ(価格はそれなりにかかるが)。


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