Mac用新OS「OS X Lion」、11/13インチノート「MacBook Air」および小型デスクトップ「Mac mini」……。7月はMacに興味がある人にとって「大豊作」の月となった。アップル製品に詳しい人は、これらのニューカマーをどう評価するのか? MacPeopleの吉田編集長にざっくり話を聞いてみた!
OS X Lionと相性抜群の「MacBook Air」
―― 日本で注目度の高い新型MacBook Airについて、まず聞きたいです。ぶっちゃけ、どう評価されますか?
吉田:MacBook Airは、OS X Lionとのコラボレーションがすごいね。実際、11インチモデルを触っていて思うけど、「Launchpad」や「Mission Control」、フルスクリーンアプリケーションをトラックパッドでスワイプして切り替えるといった新機能が、小さな画面をかなり使いやすくしている。
―― 最初、MacBook Airの仕様を聞いたときは、Sandy BridgeとThunderboltを採用しただけで、「予想通りだな」ってイメージでしたが、やっぱり実物は違いますか?
吉田:違うね。ベンチマークをとると、旧モデルと2倍近い差が出る項目もある。あと内蔵フラッシュストレージも面白くて、サムスン製と東芝製の2種類がある。
―― 何か違うんですか?
吉田:29日発売の9月号にも載せたけど、何度ベンチマークをとっても圧倒的にサムスン製のほうが早いんだよね。過去のMacでも、複数メーカーの内蔵HDDを採用していて、計測すると多少の速度差が出たことがあったけど、今回の違いは大きい。例えば、11インチの128GBモデルはサムスン製だったりするけど、サムスン製のほうが「当たり」って感じかな。
―― フラッシュストレージ自体がHDDに比べると圧倒的に速いので、気が付かない人がいるかも(笑)
吉田:そう。なんだかんだ言って東芝製も速いし、実際の利用で、どこまで影響するかはちょっと未知数だけど。あと検証して面白かった機能が、「インターネットリカバリーモード」かな。MacBook AirやMac miniは、再インストール用のディスクがない代わりに、不可視のリカバリー領域を用意していて、「command」+「option」+「R」キーで起動すれば再インストールを実行できる。
さらに内蔵ディスクが壊れて、このリカバリー領域が読み込めない状態になっても、最低限のOSで起動して残りのファイルはインターネットからダウンロードできる。つまり、何があっても起動するってのがスゴい。
―― データさえきちんとバックアップしておけば、マシンが壊れても、内蔵ストレージを交換したり、外付けHDDを用意したりすれば、復旧できる?
吉田:そう。これは今秋にスタート予定の「iCloud」を見据えたアップデートってことだよね。本当は、OS Xのバックアップ機能の「Time Machine」もiCloudを保存先として使えるといいんだけど。