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月商3000万円超えECサイトを作る サイト設計の秘密 (1/2)

2011年07月27日 11時00分更新

文●三浦たまみ

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  • ファッション/アパレル
  • 家具/インテリア
  • 食料品一般

 2002年のオープン以来、順調に売上を伸ばしてきたワイシャツ通販サイトozie(オジエ)。だが、商品点数が増えるたびに手作りで“増改築”を繰り返してきたサイトの構造は次第に複雑なものになり、すっかり使いづらいサイトになっていた。

 2011年1月のリニューアルでは、サイト構造にも抜本的なメスを入れた。特徴的なのは、サイトを初めて訪れたユーザーが、大分類から小分類へと商品を絞り込みながら目的の商品へ辿れる構造にしたことだ。

ユーザーを振り分けるトップページの役割

 あらためて新生ozieのトップページを見てみよう。

 ずらっとシャツが並んだキービジュアルの下には、「メンズシャツ」「レディースシャツ」「ネクタイ・アクセサリ」「セール」「ユニフォーム」の5つの項目が、それぞれに対応したビジュアルを添えて並んでいる。

「トップページを訪れるお客さまの多くは、購入する商品を明確に“これ”と決めているわけではありません。それでも、『男性用のワイシャツがほしい』『女性向けのシャツを見たい』といった、サイトを訪れる大まかな目的は決まっています。そこで、お客様をまずは5つに分類し、それぞれの目的に応じたカテゴリページへ誘導するようにしました」(店長・柳田敏正氏)

 メンズ商品からレディース商品、小物まで幅広い品ぞろえを売りとするozieの場合、あらゆる商品を「あれもこれも」と並列に見せようとすると、どうしてもごちゃごちゃとしたサイトになってしまう。リニューアル前のozieのトップページがまさにそうだった。

 常連客ならまだしも、初めてサイトを訪れたユーザーがこのページから目的の商品を探すのは難しい。そこで、新しいトップページは「メンズシャツ」「レディースシャツ」「ネクタイ・アクセサリ」「セール」「ユニフォーム」の5つの入口へ振り分ける役割に徹することにした。まずはトップページで商品を大きく絞り込むわけだ。

 次に移動したページ(商品カテゴリートップ)では、目的の商品をさらに絞り込む。たとえば、トップページで[メンズシャツ]を選択すると次のようなページが表示される。

 このページでは、[メンズ特集][メンズ新着商品]などのピックアップ商品、衿型や色、柄、素材などのさまざまな切り口から商品を検索できる。たとえば、 [衿型から選ぶ]をクリックすると、「レギュラーカラー」「ワイドカラー」といった衿型の一覧が表示される。

 ここで、好みのタイプ、たとえば衿型であれば「ボタンダウン」「クレリック」などを選べば、該当する商品がリストアップされる。あとはこの中から気になった商品を選んでクリックすると商品の詳細を確認できる。

 このように、「メンズシャツ」といった大きな分類から、「ボタンダウン」のような小さな分類までスムーズに商品を絞り込める仕組みのおかげで、初めて訪れるユーザーでも、膨大な商品の中から好みの商品を探し出せるようになっている。

 さらに、トップページの“入口”を増やしたことで、主力商品のメンズシャツに比べて目立たなかった商品の需要も掘り起こすことに成功したという。

「もともと、レディースシャツは、“メンズ仕立て”のかっちりとしたデザインを売りにしていて、競合他社とは一線を画す自信のある商品でした。でも、旧サイトではその魅力はまったく伝えられなかった。リニューアル前は8対2の割合で圧倒的にメンズシャツが売れていましたが、最近では7対3から6対4ぐらいに変わりつつあります。業務用のユニフォームの問い合わせも増え、6月の受注額は500万円を超えました

ozie(オジエ)

http://www.ozie.co.jp/

  • 運営会社:株式会社柳田織物
  • オープン:2002年
  • 従業員数:15名(うちネット通販事業専業5名)
  • 年商:1億4000万円(EC事業のみ)

1970年創業(前身は1929年創業)の柳田織物が運営するワイシャツ販売の専門サイト。バーニーズニューヨークで接客経験を磨いた4代目の柳田敏正氏が中心となり、2002年にオープン。2011年1月、全面リニューアル。

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