Appleに対し、HTCが初戦で負ける
Android全体に大きな影響が発生するか?
このところ、海外スマートフォンの話題といえば、新製品に関するものよりも特許訴訟に関するものが目立つ。最大のニュースは、7月16日に米国際貿易委員会(ITC)が、HTCがAppleの特許2件を侵害しているとする初期判定を下したことだろう。Androidの土台部分が関係する特許であるため、他のAndroidベンダーへの拡大も懸念されている。
Appleは2010年3月、10件の特許侵害を主張してHTCを提訴した。HTCが侵害しているとITCが認めたAppleの特許は、米特許番号6,343,263のシリアルに伝送されたデータ向けのリアルタイム信号処理システム、同5,946,647のコンピュータが生成したデータの構造にアクションを実行するシステムと方法の2件だ。
Appleが1994年と1996年に申請していた特許で、オープンソースとソフトウェア特許に明るいFlorian Muller氏は、Androidの土台に関わるものと分析している。
ITCで特許侵害が認められた場合、アメリカへの輸入指し止めとなる。そのため市場シェア争いが激しいスマートフォン分野ではITCが戦いの場として選ばれることが多い。プロセスとしては、最初に審査官1名が初期判定を出し、その後委員会がレビューして初期判定を支持するか反対するかを決めることになる。今回の初期判定については12月に決定となる予定だ。
HTCは今回の判決に対し、引き続き争う姿勢を示している。16日付けの声明文でHTCは控訴に自信を見せている。
Androidは、AppleにとってiPhoneの最大のライバルであり、同社はHTCのほか、Samsung、Motorolaとも特許訴訟係争中だ。Samsungの場合、iPhoneでプロセッサー、フラッシュメモリなどさまざまな部品を供給するサプライヤーでもあるという複雑な関係にあるが、HTCにはそのような複雑さがない。HTCとAppleの法廷での戦いは緊張を増しており、2010年5月にHTCがAppleを反訴、今年7月にはAppleはITCにて2度目の提訴を行なっている。
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