Twitterと連動して、個人情報を特定されてしまうのがmixiだ。Twitterは匿名で投稿し、個人情報はmixiでのみ公開している人は多い。しかし、Twitterからmixiにたどり着くのは難しいことではない。本名やニックネームが一緒なら一発だし、フォロワーやマイミクから探し当てられることもある。投稿している写真が同じ場合も手がかりになる。日記の公開設定を「全体」にしていると、誰でも閲覧できてしまうので、範囲を限定することをオススメする。ちなみに、マイミクリクエストをほとんど無条件で受け入れてしまい、たくさんのマイミクがいる人は「友人まで公開」でもちょっと怖い。晒されたくない投稿は「一部の友人まで公開」にしておこう。
Twitterのブログ版のように使える「Tumblr」が日本語化され、情報収集ツールとして人気を集めている。Tumblrはお気に入りの記事を「like」(スキ)することで、ブックマークのように管理できるが、共有設定が有効になっていると「http://www.tumblr.com/liked/by/ユーザー名」で見られてしまう。ニュース系をリブログしているユーザーが偏った趣味の記事を大量に「like」していることもある。匿名なら実害はないが、非公開にしておく方が安全だろう。
メールからもいろいろな情報が漏洩する。ありがちなのは、同報送信しようとして、CCにメールアドレスを列挙してしまうミス。当然、全員に同報されたメールアドレスがわかってしまう。サークルや同僚などならいいが、企業からのお知らせメールだと完全な情報漏洩だ。よくあることなので、注意しよう。
メールのヘッダー情報も見逃せない。メールはメールサーバーを経由して送られてくるが、その経路がすべて記録されている。会社からメールしているのか、iPhoneから送っているのかなどがわかるのだ。さらに、メールソフトによっては、利用しているPCのコンピュータ名が表示されることもある。匿名のつもりなのに本名が筒抜けだったり、恥ずかしいPC名がばれてしまうこともあるので注意しよう。
試しに、筆者が「Windows Live Mail」から自分宛にメールを送った場合、「yanagiyaPC」というコンピュータから「Microsoft Windows Live Mail 15.4.3508.1109」を利用していることがわかった。さらに、独自ドメインをablenetというホスティングサービスで運用しているうえ、ネットはPPP接続で@niftyにつながっていることもわかる。住所などがばれるわけではないが、情報がだだ漏れになっていることは覚えておこう。
ちなみに、独自ドメインを利用している人は、「Whois」という検索サービスで登録情報を表示できる。メールアドレスや住所・氏名・電話番号まですべて白日の下。個人で利用するなら「Whois情報代行サービス」を利用して、その企業の情報を記載してもらおう。
2011年4月に、「プレイステーションネットワーク(PSN)」から、7700万件もの個人情報が流出した。ソニーでさえも、これだけの事件を起こすのであれば、どのウェブサービスも完全に信頼することは難しい。個人では防ぎきれないとはいえ、努力次第で被害を抑えることは可能だ。
まずは、パスワードを定期的に変更すること。これだけで、不正アクセスの可能性はずっと減る。また、パスワードはほかのウェブサービスと共用しないこと。どれか1つのサービスから漏洩することで、他のサービスまで不正利用されてしまう可能性がある。
次に重要なのが、クレジットカードの請求をきっちり確認すること。筆者は細かい請求がたくさんあるので、まじめにチェックしていなかったら、解約したはずのネット接続料金を2年に渡って引き落とされていたこともあった。普段からチェックしていれば、万一不正利用された時にもすぐに気がつく。金額が小さければ、クレジットカードの保証も簡単に適用されるだろう。
情報漏洩は、ほとんどがヒューマンエラーから発生する。ネットを利用するに当たって、最低限のリテラシーを持っておかないと、意外なところでトラブルに遭ってしまう。勝手な思い込みや適当な運用で情報を漏洩してしまったり、漏洩が怖くて一切ネットを利用できなくなってしまうのはもったいない。今回紹介したポイントをチェックして、安全にウェブサービスを活用してほしい。
筆者紹介─柳谷智宣
1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「ポケット百科 GALAXY SII 知りたいことがズバッとわかる本」(翔泳社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)、「PDFビジネス徹底活用技」(技術評論社)。
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