節電設定前と設定後では、
デスクトップでも消費電力はこれだけ変わる
対策前に、初期状態での消費電力をワットチェッカーを使って計測しておこう。なおワットチェッカーには、パソコン本体とディスプレー2台をすべて接続して計測している。また高い処理負荷をかけた状態である「負荷時」は、前回同様に総合ベンチマークプログラム「PCMark 7」を使って、ベンチマークテストを実行させた状態を計測している。
まずは節電設定前の消費電力(グラフの赤)を見てみる。電源を投入していない状態、つまり待機電力は0.8Wであった。これはまあ妥当なところである。起動時の最大電力は183W。起動プロセスが進行している間は150~160W前後を推移しながら、約75秒でログオン画面が表示された。ログオン後もスタートアップやサービスの開始などで、アイドル状態になるまでには約120秒近くかかるものの、起動プロセス時の183Wを超えることはなかった。
なお、光学ドライブのブート順位がシステムHDDよりも高く設定されている場合に、ブート可能なDVD-ROMなどを光学ドライブに入れっぱなしにしておくと、その確認やキャンセルの分だけ起動プロセスの時間が長くなる。だが、消費電力自体は最高値を超えることはなかった。そうは言っても、起動時間を短縮すれば起動中の消費電力が高い状態を短くできるので、節電を意識するなら光学ドライブにディスクを入れっぱなしにしておくことは避けたい。
標準の電源オプション設定のまま、動作時の消費電力をチェックしてみよう。まずアイドル時は157Wで、負荷をかけた状態は最高で247Wを記録した。驚いたのは負荷時よりも、アイドル時の消費電力の大きさだ。未使用時のスリープの重要性を再認識した。
Windows 7のシャットダウン時には、消費電力は最大178Wまで上昇。起動時と同様に150~160Wを推移しながら、約20秒でシャットダウンが完了した。
さてこの状態のマシンに、マイクロソフトの「Windows PC 自動節電プログラム」を導入する。さらに、ディスプレーの輝度をマイクロソフトの指針どおり、40%まで落としてみた。ノートパソコンの場合は、自動節電プログラムを導入するだけで内蔵ディスプレーの輝度が調整されるのだが、デスクトップパソコンの外付けディスプレーは自分で設定変更する必要があることを忘れてはならない。ちなみにディスプレーの輝度は、普段でも60%程度で使っている。
これだけ対策を講じただけで、アイドル時の消費電力は147Wと10Wも下がった。負荷時の最大消費電力も5W減の242Wに低下。起動時とシャットダウン時の最大電力もそれぞれ178W、172Wに下がった。アイドル時や起動時の消費電力削減は、ディスプレーの輝度を下げたことによる効果が大きいと思われる。
やはりデスクトップパソコンでも、節電はまずディスプレーの輝度を下げるのが必須であるようだ。
この連載の記事
-
第2回
PC
PCメーカー対マイクロソフト 節電上手はどっちだ! -
第1回
PC
ピークシフトに注目! 1番節電上手なノートパソコンはどれだ? -
PC
猛暑を乗り切れ! パソコンで節電特集 - この連載の一覧へ