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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」第65回

古川本舗「Alice in wonderword」インタビュー

ニコ動“歌い手”と野宮真貴・カヒミが共演、その理由は

2011年07月16日 12時00分更新

文● 四本淑三

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 古川本舗さん(関連記事)のコンピレーションアルバム「Alice in wonderword」について、参加歌手・花近さんのインタビューに続き、今回はご本人に登場をお願いした。

 このアルバムについては改めて説明するまでもなく、ニコ動でおなじみのボーカリストに加え、ボーカロイド「MEIKO」の声を担当した拝郷メイコさん、カヒミ・カリィさん、野宮真貴さんという豪華布陣で制作されている。そうしたミュージシャンの参加やレコーディングはどう実現したのだろう?

 また演奏陣には、ギターは「くらげP」としても知られる和田たけあきさん、ベースは二村学さん、ドラムはゆーまおさんという、やはりニコニコ動画でもおなじみのミュージシャンを揃えている。しかし驚いたことに、古川さん自身は演奏には関与せず、アルバムプロデューサーとしての立場を通し続けたという。

 それらはBALLOOMというレーベルに参加してアルバムを制作するというコンセプトと密接に関係しているらしい。そうしたアルバム制作と、その発売後に見えてきたこと、それを受けての今後の活動などを語ってもらった。

Image from Amazon.co.jp
Alice in wonderword

Alice in wonderword

1. ピアノ・レッスン feat.カヒミ・カリィ
2. mugs feat.630
3. CRAWL feat.acane_madder
4. Good Morning EMMA Sympson feat.Madoka Ueno
5. envy. feat.星野菜名子 (from 優しくして♪)
6. グリグリメガネと月光蟲 feat.クワガタP
7. 三月は夜の底 feat.花近
8. ドアーズ feat.エルシ
9. スーパー・ノヴァ feat.ミキト
10. ムーンサイドへようこそ feat.ちびた
11. Alice feat. 拝郷メイコ
12. ピアノ・レッスン feat.野宮真貴 with BaguettesEnsemble

当たって砕けなかった結果の豪華キャスト

―― まずメンバーがすごいですね。

古川 ありがとうございます! カヒミさんと野宮さん以外の「歌ってみた」の人たちは、アルバムの話が決まった時点で、まあこの人しかいないだろうという人たちを選んでいきました。

―― カヒミさんと野宮さんに関しては?

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野宮真貴「miss maki nomiya sings」

古川 「ピアノ・レッスン」という楽曲は、自分の中でとても大事な曲なんですね。で、この曲にゆかりのボーカリストっていうのが、すでに他の曲で決まってしまっていた。とはいえ同じ人に2回歌ってもらうわけにもいかないし……というわけで、新しく人を探していたんです。野宮さんっぽい、カヒミさんっぽいというキーワードで。でも、やっているうちに、その作業にはまったく意味がないなあと思ったんです。仮に見つかったとしても、相手にも失礼な話だなあと。というので思い切って本人に頼むのはどうかと。


―― それは正しい判断ですが、二人にはどうやって頼んだんですか?

古川 スタッフの一人が、野宮さんと近しい方とを知っている、と言うことで聞いてもらいました。カヒミさんの方は誰もつながりのある人がいないので、これは無理だろうと思っていたんですが、思いきってメールで連絡を取ってみたら「お話は聞いてみましょう」ということになって。それでカヒミさんの事務所に出向いて、お話させていただきました。それで後日連絡が来て良い方向の返事がもらえたんですね。

Image from Amazon.co.jp
カヒミ・カリィ「K.K.WORKS 1998-2000」

―― 結局自分のイメージ通りの人選ができたということですよね。やってみるもんですねえ、当たって砕けろ式に。

古川 やってみたら当たって砕けなかったというか。カヒミさんに関しては、歌詞が日本語だと表現としてやりにくいところがあるかも知れないので、フランス語でやりたい、という話は事前にもらっていたんで少し心配していたところもあったのですが、フタを開けてみれば原曲にすごく忠実に仏訳してくださっていて。嬉しかったです。


―― カヒミさんのピアノ・レッスンがフランス語の歌詞なのは、そういう理由だったんですか。アルバム最初と最後をピアノ・レッスンでサンドイッチする形になっている、かつアレンジも歌唱も振り分けていて、このプロデュサーやるなと思っていたんですが。

古川 プロデューサーは僕ですが、あれはカヒミさんの提案です。

―― それは素晴らしい。素晴らしいといえば、くまおり純さんのアートワークですけど。

古川 さかのぼること2年くらい前の話ですね。自分の音楽の世界観に近いイラストレーションをまかせられる人ということで、Pixivで見つけたのが純さんなんです。その時点で彼女は商業誌に描いたりしたので、「いつ出るか分からないけど、いつかアルバムを出すから、その時にジャケットのイラストも描いてほしい。そこまで含めてひと通りやってほしい」と、最初からお願いしていたんです。

くまおり純さん(Pixiv)

―― あれは素晴らしいジャケットですよね。スリーブケース付きなのもいい。

古川 やってよかったですね。ずっとスリーブなんかいらないって言っていたんですけど、ある日突然心変わりしてですね。あれはスリーブと中のイラストが違うんですよ。

―― モノとして買ったありがたみを感じますよね。そしてマスタリングも大御所ですが。

古川 テッド・ジェンセンはたまたまプロモーションで来日されている時にお会いできるタイミングがあって。お願いして会わせてもらいました。こういうのをやっているんだ、とボーカロイドのソフトなんかも見せたら、不思議そうな顔をしてましたけどね。

―― ボーカロイドは知らなかったんですか。

古川 その時はご存じなかったと思いますね。「へえええ、なんだこりゃ」みたいな感じで。で、アルバム出すんですけどやってもらえませんか、と聞いてみたら「オーケー」と。えっ、いいんだ、やってくれるんだと思って。

―― しかしプロデューサーとしては、なかなか強運の持ち主ですな。

古川 たまたまが重なりまくった結果ですよ。ただレコーディング初日が……。

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