このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第73回

HDDをSSDにコピーしてPCを静音化・高速化する技

2011年07月12日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 ソフトの操作は簡単だ。ディスクをドライブに入れるとソフトが起動する。“ディスクまたはパーティションのコピー”をダブルクリックして、コピー元とコピー先、コピー方法を指定すればいい。オプションを選び、“コピー開始”をクリックすると処理がスタートする。

 処理方法には“標準コピー”と“セクタ単位コピー”の2つの方法が選べる。通常はデータを順次移動する標準コピーでいい。デュアルブートを構築している場合や隠しパーティションを移動させる際はセクタ単位でコピーすればいい。

ディスクからソフトを起動したところ

コピー元とコピー先のディスクやパーティションをチェックする

オプションを選択する

“コピー開始”をクリックすれば処理が始まる

 SSDはeSATAで接続したので、コピー処理は2時間42分で終了した。続いて、HDDとSSDの交換作業に移るのだが、その前に筆者の失敗を参考までに紹介しておく。

起動ドライブの移行が終了した

 最初に試した時は、USB接続のHDDアダプターにつないで作業をしたのだが、コピー先のSSDを選択するところで必ず不正終了してしまうのだ。そこで完全ハードディスク交換11のディスクからPCをブートしたところ、コピー先を無事に選択できた。最後のオプションを選ぶところで、どんな動作になるのか見るために“コピー後のデータ検証”にチェックを入れてコピーを開始した。77GBデータをコピーするのに3時間10分。やっとデータのコピーが終わったと思ったら、データ検証の処理が始まったのだ。

 データのコピーが終わっているなら問題はなかろうと、処理をキャンセル。警告メッセージが出たが、無視して終了させ、HDDとSSDを交換。電源を入れたが、起動しなかった。修復インストールなどいろいろと試したが、結局NG。もう一度やり直す羽目になったのだ。ソフトの警告メッセージには従うことと、USBよりはeSATAのほうが高速、という当たり前のことを再認識させられた。

この画面からキャンセルしてしまった……

HDDからSSDへ換装するメリットは計り知れない

 SSDに付属のマウンタをセットし、HDDと交換。ケーブルを差し直せば作業は終わり。電源を入れると、“Windows failed to start”という画面が表示された。本来であれば、回復コンソールが開くはずだ。とりあえず、Windows 7のインストールディスクを入れ、「システム回復オプション」を起動。問題が見つかったようなので修復し、再起動すると回復コンソールが開いてWindowsを起動できた。

SSDにマウンタを装着

起動失敗。英語でコンピュータの修復を行なうように指示されている

Windows 7のインストールディスクから起動して、修復を行なう

 Windowsの起動時間は55秒になった。BIOSのチェックで32秒かかるので、実質38秒から23秒に短縮された計算だ。続いて“CrystalDiskMark3”でデータ転送速度を計測したところ、シーケンシャルリードは266MB/秒、シーケンシャルライトは136MB/秒と大幅にスピードアップしていた。何より、512Kや4Kといった小さいサイズのランダムアクセスが高速なのがうれしいところ。

 なお、テストに利用したPC「DELL XPS 420」は、SATA2(3Gbps)規格。そのため、連続読み出しの性能は約半分しか発揮されていない。SATA3(6Gbps)規格に対応したPCなら、500MB/秒近いスピードが出るはずだ。

CrystalDiskMark3の結果

 起動時間はそれほど短縮されていないが、アプリの起動が早くなったのが快適に感じる要因だろう。iTunesやOfficeなども一瞬で起動する。HDDのカリカリ音も大幅に減った。データ保存用に2TBのHDDを接続しているが、起動ドライブの音がないだけでずいぶん静かなのだ。電力消費もHDDよりは小さいという効果もある。

 今回は、2万円台半ばのSSDをチョイスしたが、容量が少なくてもいいのであれば、1万円台からインテルやCrucialブランドでも購入できる。速度や動作音が気になる人はSSDへの換装を検討することをオススメする。この快適さを知ってしまったら、もうHDDには戻れないことだろう。

■Amazon.co.jpで購入

筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)、「PDFビジネス徹底活用技」(技術評論社)、「Linkedln人脈活用術」(東洋経済新報社、共著)。


前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン