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速くて便利! 実測でわかるモバイルデータ通信 第1回

モバイルPCに必須!? NTTドコモの“テザリング”を試す

2011年07月22日 12時00分更新

文● 宇野貴教

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開けた環境では良好な結果に

公園などの開けた場所では快適に使用できた

公園などの開けた場所では快適に使用できた

 基本速度の次は利用条件によって通信速度がどのくらい変動するかをチェックしてみる。テストは休日の日中、都内(杉並区)の自宅近辺で行なった。

 まずはマンションの自室(1F)で測定し、その後近くの公園やビル屋上(8F)に移動して測定を行なった。いずれもOptimus bright本体は胸ポケットに入れ、ノートPCを手に持ってテストするスタイルで計測している。

測定結果その1

測定結果その1

 この中でアンテナが常時4本立ち良好な通信状況を確保できていたのが屋上と公園。これらはいずれもほとんど同じ数値を示していることから、アンテナMAXでブレないような状況下であれば通信速度はベストに近く、開けた場所などに移動しても速度はほとんど上がらないことが見て取れる。自室はアンテナのアイコンが2~4本で変動する結果となった。

 実際に操作すると、ASCII.jpのページであれば、文字が即座に表示され、その後2~3秒かけて写真や画像が開かれる。リンククリック時の反応も早く、とくにストレスは感じない。同様に動画サイトのバッファリングも十分で、再生に不満は感じない。

街中でも接続が切れることはないが……

測定結果その2

測定結果その2

 次いで街中に出てみた。両脇を大きなビルに囲まれた路地と、ショッピングセンタービルの2F、B3F駐車場で計測した。この中ではビル2Fが良好な通信状況を確保できていた。

 一方で通信状況がやや悪かったのがショッピングビルB3Fだ。ビル地下で普通に通信ができるのは、中継装置の屋内アンテナがあるためと推測される。アンテナ数が変動することから、通信にも何かしらの影響があると思われたが、ベンチの数値的には速度がちょっと遅くなったかな、という程度。

 途中で接続が切れるといったことはなく、Web閲覧などもアンテナ4本時と体感ではほとんど差を感じない。このことから、ベストはアンテナ常時4本であるが、たまに2~3本に落ちるといった状況下でもテザリング通信にはさほど影響はないと言えるだろう。

 全体を通して、結果的にあまりよくなかったのがビルの谷間である。両脇を8Fオーバーのビルに囲まれた路地でテストしたのだが、アンテナアイコンは0~2本と明らかに劣悪な状況。その影響はテスト結果にも表われており、通信速度はベストな状態の2~5割にまで落ちる。

 この速度ではファイルのダウンロードはもちろん、Web閲覧もテキスト表示までに数秒かかるなどかなりストレスがたまる。動画サイトの再生もバッファリングが追いつかずに途中で止まってしまうため、まともに鑑賞することができない。

 やはり周りを遮蔽物で囲まれた環境下では、通話同様にテザリングの通信もまともに行なえないと思っておくのがよいだろう。ただ、途中で通信が数秒ほど止まることはあったものの、通信が切断される事態は発生しなかった。

 なお、上り(アップロード)の速度はビルの谷間を除いてどれも300~400Kbps程度で、どの場所でも大きな変化はない。この速度だと数MB程度のファイルであれば我慢できるが、デジカメの撮影データをオンラインストレージに移すような数十MB以上のファイル転送だと街中で行なうのは非現実的だ。テザリングを使ったアップロードはあくまで非常手段と捕らえておくのがよいだろう。

モバイルPCユーザーならテザリング端末を買え!

今回はタブレットとしても使えるノートPCと組み合わせて使ったが、スマホ同様に立ったまま使えるのでなかなか便利だ

今回はタブレットとしても使えるノートPCと組み合わせて使ったが、スマホ同様に立ったまま使えるのでなかなか便利だ

 今回のテストから、NTTドコモ端末を使ったテザリング通信はWeb閲覧などを十分にこなせる実力があることがわかる。電波状況による変化もアンテナ2本以上が立つ環境であれば大きな減衰はない。

 さすがに1本立つか立たないかのような劣悪環境下では目に見えて速度が落ちるが、通信自体はなんとか可能であるし、周りに開けた場所がなければ大型商業施設に入るなどの手段で通信状況を改善できる。

 通信料は「パソコンなどの外部機器を接続した通信」という扱いになるのでやや高め。「パケ・ホーダイ フラット」などの定額料金プランでも、上限は1万395円となる。

 とはいえ、スマートフォンを使う感覚でいつでもどこでもPCでインターネットにアクセスする手段になるテザリングは、それだけの価値があるとても便利なものと言えるだろう。

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