インターネット接続が一般化し、現在ではスマートフォンを始めとした様々な端末でネットの恩恵を受けるようになった。一方でセキュリティーに対する意識はパソコンほどには浸透していないという現実もある。今後個人向けのセキュリティーはどうあるべきだろうか?
その内容について、マカフィーコンシューマー事業統括 常務取締役の田中辰夫氏に聞いた。同氏はマカフィーのコンシューマービジネス全般の責任者で、そのゼロからの立ち上げに大きく貢献した人物。スマホを始めとした新しい領域にも積極的に取り組んでいる。
個人向け市場における、マカフィーの現状
元々マカフィーのビジネスは企業向けが主体で、直販を含めたチャネルビジネスを展開してきた。
しかし、家と会社で同じソフトを使いたいというニーズは潜在的にあった。両者をリンクさせるために個人向けセキュリティーソフトに取り組む必要があると考えたのが8年ほど前だ。
現在のマカフィーの売上は法人向けと個人向けが半々というところまで来ているが、当初はOEMの分野から入った。マーケットには2強とも言うべきベンダーがいた。
リテールへの参入には人的リソース(量販店へのラウンダーやヘルパー)や広告展開など大きな投資が必要だった。そこで当社にはB to B to Cの形が最も合っているだろうと考えた。パソコンへのプレインストールやISPとのパートナービジネスを経由して、コンシューマー市場にタッチしていく方法だ。
ISP向けでは月額課金のビジネスモデルを採用し、回線契約者は毎月数百円のコストでウイルス対策を利用できる。現在では80程度のサービスにマカフィーのソフトを提供している。
光回線など回線の高速化は進んでおり、画像など大容量のファイルのやり取りが進んでいる。これに伴い不正プログラムの影響も大きくなっているので、ISPにとってもセキュアーなサービスへの要求は高まっている。われわれのビジネスニーズと一致した。