アルプス システム インテグレーション「InterSafe WebFilter Ver. 7.0 on IPv6」が7月8日発売
IPv6のアダルト系も阻止!InterSafe WebFilterがIPv6対応
2011年07月07日 09時00分更新
7月6日、アルプス システム インテグレーション(ALSI)はIPv6やHTTPSに対応したWebフィルタリングソフトの最新版「InterSafe WebFilter Ver. 7.0 on IPv6」を7月8日より発売すると発表した。2月8日に発表した「InterSafe WebFilter Ver.7.0」のIPv6対応版となる。
InterSafe WebFilter Ver. 7.0 on IPv6がIPv6とHTTPS対応に対応するのは、インターネット環境の大きな変化に対応するためだ。同日行なわれた新製品発表会で登壇したALSIの専務取締役 営業統括部長の輿石 大治氏が、麻地社長の話を継いで挙げたのが、
- IPv4アドレスの枯渇とIPv6への移行
- SNS・掲示板などのHTTPS対応
- スマートフォンによるインターネット利用の拡大
- 法令による罰則強化(サイバー刑法の施行等)
という4点だ。その中でも大きいのが、IPv6とHTTPの問題だ。
NTT東西のフレッツ 光ネクストやKDDIのauひかりがIPv6接続への対応を始めるなど、国内でもIPv6への対応は進みつつある。しかしながら、IPv6サービスを実際に使っているユーザーはごくわずかだろう。ところが、IPv6アドレスを持ったWebサイトはすでに存在している。問題なのは、その内容だ。新製品発表会で披露された、ALSIのグループ会社でURLフィルタのデータベース作成などを行なっているネットスターの調査結果によると、トップがアダルトサイト(33%)で、2位が公開プロキシ(28%)、3位がSNS・ブログ(7%)なのだという。健全とはいい難い、社内からのアクセスは阻止したいコンテンツ/サービスを提供するサイトが大半なのだ。これをフィルタリングできないのは、大きな問題といえるだろう。
そもそも、WebフィルタリングのIPv6対応については、「IPv6サイトもドメイン名(URL)でフィルタできるから、特別な対応は不要」という意見もある。だが、上記のようなサイトの中には、Webフィルタリングからすり抜けるため、ドメイン名を使わず、IPv6アドレスだけで運用しているケースがあるという。
こうした状況に対応したのが、InterSafe WebFilter Ver. 7.0 on IPv6だ。輿石氏に続いて登壇したALSI取締役 セキュリティソリューション部長の筥崎 智氏の説明によれば、すでに1万6000ページものIPv6サイトが登録されているという。
また、InterSafe WebFilter Ver. 7.0 on IPv6は、IPv4とIPv6の「変換プロキシ」の機能も提供する。これは、オープンソースのプロキシサーバー「Squid」と連携するもので、IPv4の社内ネットワークからIPv6アドレスしか持たないWebサイトへのアクセス、逆にIPv6のクライアントからIPv4のサーバーへのアクセスが可能となる。
HTTPを使ったSNSへの書き込みも抑止
冒頭で挙げた「大きな変化」の2つ目「SNS・掲示板などのHTTPS対応」への対策は、HTTP解析機能の標準対応となる。ネットスターが2010年1月に行なった調査では、インターネットユーザーのソーシャルメディア利用率は90.9%に達しており、職場からのソーシャルメディアへの書き込みは21.8%が「ある」と答えているという。ところが、情報入力時にHTTPSを使うことから、私的利用や情報漏えいが行なわれても管理者が把握できない状況に陥っている。
この対策として用意されているのが、「InterSafe WebFilter Ver. 7.0 Proxy版」だ。こちらの製品は、Webサーバー(HTTPSサイト)の証明書情報から動的に証明情報を作成しクライアントに送信する「自己認証局方式」を使って、HTTPS通信を解析。HTTPSサイトのURL単位でのフィルタリングに加え、書き込み規制、書き込み内容・添付ファイルのログ出力が行なえるようになった。出力したログは、ログ分析ソフト「InterSafe LogDirector」やログレポートツール「LogLyzer」に取り込み、書き込み内容や添付ファイルを復元することも可能だという。
この機能は、「大きな変化」の4つ目「法令による罰則強化」への対応にもなる。つまり、2011年6月17日に成立した「情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律案(サイバー刑法)」で処罰対象となる「ウイルスやわいせつ画像を不特定多数に送信する行為」を、HTTPSを隠れ蓑に行なうことへの抑止にもなる。
7月8日発売のInterSafe WebFilter Ver. 7.0 on IPv6の価格は、一般ライセンスが5万2500円から、政府機関向けのガバメントライセンスが4万2000円、教育機関向けのアカデミックライセンスが3万1500円からなどとなっている。
初出時、HTTPSの解析が可能な製品の名称が誤っておりました。お詫びし、訂正させていただきます。(2011年7月7日)