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購入したIPv4アドレスのWebサイトがフィルタリングされた訳

ブルーコート、枯渇で増えた「中古IPv4」の危険性を警告

2011年07月07日 06時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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 7月6日、ブルーコートシステムズは「中古IPv4アドレス」の危険性に関するメディアアラートを公表した。

WebセキュリティやWAN最適化ソリューションを提供するブルーコートが、購入したIPv4の危険性を警告する

 IPv4アドレスの在庫枯渇により、未使用のIPv4アドレスの入手は困難となっている。こうした状況を受け、使用済みの「中古の」IPv4アドレスを売買する市場が形成されつつあるのだという。こうした中古のIPv4アドレス購入で問題となるのが、そのアドレスの過去だ。

 メディアアラートによれば、購入したIPv4アドレスが、故意にあるいは故意ではなくともマルウェアネットワーク上に存在していた場合、「AUP(Acceptable Use Policy:ネットワークの利用目的を制限する規則)」によって、Webサイトへの通信が遮断されるという不利な評価をされる可能性があるという。そして、評価の定期的な見直しがなければ、その不利な評価の履歴はいつまでもWebフィルタリング上に残り、マルウェアの攻撃が終わっても、数年に渡り残ることがある。このため、新しい所有者が使い始めると、その古い評価のためにWebサイトが遮断されてしまうことが起こりうるのだという。

 こうした例として挙げられたのがサンノゼ公立図書館で、購入したIPv4アドレスを使ってWebサイトを開設したところ、複数のWebフィルタリングソリューションによって遮断されてしまったという。購入したIPv4アドレスは、数年前にWeb攻撃に使用されていたIPv4アドレスだったのだ。同様の例は他にもあり、シスコシステムズがWebサイトの拡張に中古IPv4アドレスを使ったところ、ある大手企業のWebフィルタリングソリューションによって新ページが遮断されてしまったとのことだ。

 メディアアラートでは最後に、中古住宅や中古車と異なり、IPv4アドレス向けの査定サービスは存在しないので、中古のアドレスを購入する場合は十分な注意が必要とし、「そのアドレスはどこからきたのか、以前どのように使われたのかを知ることで、将来の悩みの種と代償を抑えることができます」とまとめている。

初出時、「購入したIPv4アドレス」とすべき部分が「購入したIPv6アドレス」となっておりました。お詫びし、訂正させていただきます。(2011年7月8日)

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