開発者の情熱! スマホ&アプリ、サービスの生みの親に直撃! 第2回
薄さの中にすべてを盛り込んだ「MEDIAS WP N-06C」
全部入りスマホのMEDIASはユーザーの裾野を広げられるか?
2011年07月14日 13時00分更新
フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行を促すような製品に
──そもそもMEDIAS WPはどういったユーザーに向けた製品なのでしょうか?
清水 一番は「スマホにしようか迷っている」ユーザー向けの製品だと思っています。これだけスマートフォンが話題になってる昨今ですが「自分には使いこなせないんじゃ?」というイメージでなかなかフィーチャーフォンから移れない方も少なくないと思うんです。まず製品の見た目でスマートフォンが持っている壁をなくします。
そして機能。今まで使ってきたフィーチャーフォンにある機能はすべて揃っているということ、またタッチパネルによってスムーズで快適な操作ができることを示すことで、スマートフォンの購入を迷われているユーザーがスムーズに買い替えられることを狙っています。
──本体色は女性にも受けそうなカラーリングですね。
清水 何気ない色あいですが、調色にはかなり苦労しました。このパールがかったキラキラ感を出すのはなかなか難しいのです。素材の違う本体パーツで色のムラを防いで量産することは、1つの苦労点でした。
──本体カラーに加えて、ウェブサイト「MEDIAS女子部」を立ち上げて、女性を強力にフィーチャーしている感じがありますが?
清水 女性だけをターゲットにしているのはなく、ユーザー層を「女性にも広げていく」と捉えていただければ。これまでのスマートフォンは、アーリーアダプター(新しモノ好き)が買っているというイメージがありました。現在はそこから一歩進んだフェーズになり、一般ユーザーにターゲットを広げていく段階です。そのためには、一般ユーザーの中でも女性ユーザーへの訴求が必要であるという考えに至っています。なので、カラーバリエーションや宣伝が、女性へ向いているように見えるのではないでしょうか。
──なるほど。MEDIAS WPは機能が非常に豊富ですが、逆にユーザーは戸惑いませんか?
清水 「機能てんこ盛り」というよりも、買い替えない理由をなくしているという感じです。フィーチャーフォンと同等の機能を搭載していることによって、「ここが使いづらそう」「よくわからないけど使いこなせそうもない」といった戸惑いを軽減させる思っています。
──それでも端末を手にしたとき、操作方法がわからないというユーザーもいるのでは?
清水 そんなユーザーのために、「読めばわかる虎の巻」というMEDIAS WPの初期設定や基本的な使い方を解説した小冊子を、端末の発売と同時に配布しています。Android端末を初めて購入したユーザーには、「Googleアカウントを作る」ということから解説を始めます。いままでフィーチャーフォンしか使ったことがないユーザーの不安感は、払拭可能であると考えます。
スマートフォン初コラボは「amadana」モデル
──ラインナップの一角にある「amadanaコラボモデル」は、従来のスマートフォンにはない雰囲気が出ているような気がします。
清水 スマートフォンとしては初となる、本格的なコラボモデルです。先ほども触れましたが、一般ユーザーのターゲットを拡大していくにあたって、女性に向けた製品展開をするのと同様に、ブランドを重視しているユーザーに向けて、まず手にとっていただきたいということでコラボしました。
──これまで、フィーチャーフォンでもamadanaモデルは提供されてきましたよね?
清水 そうです。amadanaコラボモデルは根強い人気があり、そのファンに向けたモデルという意味合いもあります。以前のコラボモデルユーザーがちょうど「そろそろスマートフォンかな」と考えているタイミングではないかと思い、買い換えを喚起したいという考えもあります。amadamaモデルには、レザーケースが付属するのに加え、コラボモデル独自のアプリケーション「Deliverry DJ」「amadanaソーシャルクラシファイド」がプリインストールされます。いずれもamadana監修によるオシャレで実用的なアプリです。
今後も企業特性とブランドを活かした展開を
──今後、御社のスマートフォンの展開はどのようになるのでしょう? このMEDIAS WPのような、やはりフィーチャーフォンの延長線上にあるような製品がメインになりますか?
清水 難しいですね(笑)。まだわれわれも2台目のスマートフォンですし、これからスマートフォンを買うというユーザーも多いでしょう。ですので、今後もユーザーの声を反映していきたいと考えていきます。フィーチャーフォン時代よりも開発期間は短くなっているので、ユーザーの声をより如実に反映した製品が登場するかもしれません。
また、弊社(NECカシオモバイルコミュニケーションズ)は設立されてちょうど1年になるのですが、その3つの元企業(NEC、カシオ計算機、日立製作所)はそれぞれが特徴のある技術を持っているので、個々の特性やブランドを活かして、万人受けするだけではない製品を生み出していきたいですね。
──ありがとうございました。
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