さて、最後になったがオーディオについても少し触れておく。CPUやメモリーなど性能に直結する部分ではなくノートパソコンのサウンド再生に筆者がこだわるのは、どちらかというと瑣末な部分にこそ、その製品に対する開発者の想いが現われると考えるからだ。どれほど見た目がよく、有名音響ブランドのロゴを冠していても、きちんとした音を出すためには設計段階からの細かな気配りが必要である。
dv4-3100のサウンド再生だが、結論から言えば「かろうじて合格」である。スタイリッシュなボディーのため反響空間の確保には苦労したようだが、本体前面に内蔵された「ALTEC LANSING」ロゴのついたステレオスピーカーからは、アルテックらしい、やや高音の強調された突っ張り感のある音がする。
ただし、単に鳴らすだけでは音量も頼りなく、くぐもった音になる。それが、搭載された「DOLBY HOME THEATER v4」でサラウンド効果を効かせると、ガラリと変わって聞こえる。それぞれの楽器の音場が明確になり、ボーカルの息づかいも明瞭になる。BDコンテンツの視聴も快適であった。
★
これだけ基本性能が高く、美しくスタイリッシュなノートパソコンが5万円前後で買えるのは、正直言って驚いた。コンシューマー向けの低コスト機と言うことで、使い心地や信頼性などで若干割り切った考え方が必要ではあるが、この1台で得られるものは多いはずだ。
HP Pavilion dv4-3100(試用機)の主な仕様 | |
---|---|
CPU | Core i5-2410M(2.30GHz) |
メモリー | 4GB |
グラフィックス | Radeon HD 6750M、CPU内蔵 |
ディスプレー | 14型 1366×768ドット |
ストレージ | HDD 500GB |
光学ドライブ | BD-ROMドライブ |
テレビ機能 | 搭載せず |
無線通信機能 | IEEE 802.11 b/g/n、Bluetooth 3.0 |
インターフェース | USB 3.0×2、USB 2.0×1、HDMI出力、10/100/1000BASE-T LANなど |
サイズ | 幅340×奥行き238×高さ28~40mm |
質量 | 約2.28kg |
OS | Windows 7 Home Premium SP1 64bit版 |
直販価格 | 8万2530円(試用機構成) |
筆者紹介─池田圭一
月刊アスキー、Super ASCIIの編集を経てフリーの編集・ライターに。パソコン・ネットワーク・デジタルカメラなど雑誌・Web媒体への企画提供・執筆を行なう一方、天文や生物など科学分野の取材記事も手がける。理科好き大人向け雑誌「RikaTan」編集委員。デジイチ散歩で空と月と猫を撮る日常。近著は「失敗の科学」(技術評論社)、「光る生き物」(技術評論社)、「これだけは知っておきたい生きるための科学常識」(東京書籍)、「科学実験キット&グッズ大研究」(東京書籍)、「やっぱり安心水道水」(水道産業新聞社)など。
この連載の記事
-
第133回
PC
Skyrimも快適? GeForce内蔵Ultrabook ASUSTeK UX32VD -
第132回
PC
写真やゲームをより美しく見せるナナオの液晶 FS2333 -
第131回
PC
デジカメとスマホを手軽に連携する無線LAN SDカード FlashAir -
第130回
PC
無線とタッチで使い勝手が進化したペンタブレット Intuos5 -
第130回
PC
スレートPCをCore i7で蘇らせたオンキヨー TW3A-A31 -
第129回
PC
店頭モデルも4コアCPUに パワーアップしたLets'note B10 -
第129回
PC
小型でも強力GPU搭載のゲームPC Alienware X51を検証 -
第129回
PC
Ultrabookと一緒に持ち歩きたい 超小型マウス「Cube」 -
第129回
PC
14型のUltrabookはアリか? デザイン重視のENVY 14 SPECTRE -
第128回
PC
WiMAXモバイルルーターの決定版!? Aterm WM3600Rを試す -
第127回
デジタル
高速SSDで起動・復帰が速いUltrabook Aspire S3-951 - この連載の一覧へ