「AMD A75」チップセットのSATA3.0(6Gbps)性能を確認
最後にAPUに直接関係はないが、「AMD A75」のSATA3.0性能を確認しておこう。最近ではMarvell製コントローラに加えて、SATA3.0対応のSandForce製コントローラを搭載した製品も発売されており、SATA3.0コントローラの性能はこれまで以上に重要だ。
そこで、今回はSandForceのコントローラ「SF-2281」を採用したADATA「AS511S3-120GM-C」を使って確認してみることにした。テストには「CrystalDiskMark3.0.1b」を使用し、テストデータはランダムと0Fillを使用、テストサイズは1000MBとした。
SF-2281を採用したSSDの場合、推奨環境にインテル 6シリーズチップセットが指定されていることが多いが、AMD A75のスコアを確認すると「0Fill」データのランダムライトが多少遅くなるものの、その他は同等以上の結果だった。AMD 890GXと比較すると全体的にスコアは向上しており、最近の高速なSATA3.0対応SSDでもその性能を十分に発揮することができるだろう。
オンボードグラフィックの常識を覆す性能を持つAシリーズ
AMDのデスクトップとしては、久しぶりに大きなプラットフォーム変更となった今回のAシリーズ。CPU性能は良くも悪くもPhenom II同等となっており、インパクト不足は否めない。
一方、GPU性能はこれまでのオンボードグラフィックの常識を覆すほど大幅に向上した。さすがに、ハイエンドのゲームをバリバリやるほどではないが、ネットゲームや3Dゲーム等の比較的軽いゲームなら楽々こなすことができる。オンボードグラフィックの性能がこのレベルまで上がってしまうと、少なくともAMD環境においては、ローエンドビデオカードは完全に不要といっても過言ではない。
Dual Graphicsはすべてのアプリケーションで効果があるわけではないが、最大で20%の性能向上を確認できた。今後ドライバが改善され、対応アプリケーションが増えてくれば面白い存在になるはずだ。ただ、現時点で統合GPU以上のグラフィック性能を求める場合は、素直に上位のビデオカードを別途購入したほうがいい。
また、コストパフォーマンスも優秀だ。AMDによる店頭想定売価は上位の「A8-3850」で1万3980円、下位の「A6-3650」なら1万1980円。さらに、27日から販売が開始された対応マザーボードは、安価な製品なら6000円台から入手可能となっている。
安価かつ高性能な2ndマシンを組みたいなら非常におすすめのプラットフォームといえる。加えて、これまでのPhenom IIプラットフォームと比べると大幅に消費電力が削減されており、性能を落とすことなく省電力にしたい場合にも有望な選択肢となるはずだ。
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