データコアがストレージ仮想化ソフトの最新版を投入!
自動階層化とPowerShellに対応した新SANsymphony-V
2011年06月30日 06時00分更新
6月29日、データコア・ソフトウェアはストレージ仮想化ソフトウェアの最新版「SANsymphony-V R8.1」をリリースした。発表会では、同社のアップデートや日本市場での戦略、そして新バージョンの概要が説明された。
ハードウェアに依存しない仮想化の重要性とは?
発表会の冒頭、データコア・ソフトウェア 代表取締役のピーター・トンプソン氏は、「サーバー仮想化のメリットを多くのユーザーが理解してきており、ストレージ仮想化も同じメリットがあることが浸透しつつある」とストレージ仮想化のメリットをアピールした。今までストレージもサーバーと同じく箱売りで、数年後に買い直すというサイクルがメインだったが、SANsymphony-Vのようなソフトウェアで仮想化を行なうことで、ハードウェアを買い換えても、仮想化の効果を継続して得られるメリットを強調した。また、トンプソン氏に紹介された新しい副社長の手塚弘章氏は事業戦略を説明し、既存のパートナーに加えてソフトバンクや住商情報システムほか数社が追加されたことを明らかにした。
続いてセールスアカウントディレクターの片山崇氏が、SANsymphony-V新バージョンの説明を行なった。同氏は、仮想化やクラウドの普及によってストレージの要件がどんどん変化している現状があり、特定のストレージの仮想化は大きな制約になると説明。そのため、ハードウェアに依存せず、要件定義の自由度が高いソフトウェアでの仮想化が最適解だとアピールした。「メーカーや機種を問わず、互換性のないデバイスでも動作する。お客様の機器選定の自由を提供する」(片山氏)という。
SANsymphony-V R8は、こうしたストレージ仮想化を提供するWindows版のソフトウェアで、今年の2月にSMB向けのSANmelodyとエンタープライズ向けのSANsymphonyを統合した現行版となっている。Windows Server上にインストールし、Windowsから認識される多様なストレージを仮想化し、スナップショットやミラーリング、レプリケーション、シンプロビショニングなどの高度な機能を提供する。ホストからは汎用的なFC/iSCSIデバイスとして動作し、ブロックストレージとして扱うことが可能になる。また、直感的なGUIも大きな特徴で、可視化されたビューからユーザー自身が容易にストレージを管理できるという。
自動階層化とPowerShell対応でますます高度に
新バージョンでは、最大15階層の自動階層化管理(Auto-Tiering)をサポートした。通常の階層化では、性能の異なるリソースごとに仮想プールを分け、アクセス頻度等に応じてデータを自動的に格納するが、SANsymphony-Vでは同一プール内に性能の異なるリソースもいっしょくたに入れてしまう。その上で、仮想ディスクを切り出し、データを自動配置していく。この仮想ディスクはさらに5段階のプロフィール設定が可能で、各階層が使うリソースの階層を指定し、各データを最適なリソースに配置できるという。
また、新たにWindowsのコマンドスクリプトであるPowerShellにも対応した。150を超えるコマンドをサポートし、運用の自動化や他社製品との連携が容易になった。「われわれの新規顧客の40%がクラウドやVPSでのお客様。こうしたお客様の強い要望にお応えした」(片山氏)という。
出荷は8月1日で、ライセンスは容量によって異なり、数多くのオプションが用意されている。
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