四本淑三の「ミュージック・ギークス！」 第63回

いま“もっとも評価されるべき”歌い手・花近

ボカロ「歌ってみた」がつなぐ、日本と中国の新たな才能

やっぱり趣味のままでいい

――　大学では何を勉強されているんですか？

花近　今は会計の勉強をしています。

――　音楽やアートの道に進もうとは思いませんか？

花近　好きは好きだけど、やっぱり趣味のままでいいと思いました。趣味を仕事にするのは余り好きではないので。プレッシャーがあって、もしも好きなものを嫌いになったら嫌だなあと思って。

――　でも花近さんは歌も上手いし、ボーカリストになりたいとは思っていないんですか？

花近　それは考えてないです。自分は、自分が好きな曲を歌うのが楽しいと思っていて、そして自分が歌いたい時に歌えることができれば嬉しいなって。そして自分の歌唱力も、もっと上手くなりたいというか、まだまだ精進しないと。

――　大学を卒業した後はどうしようとしますか？

花近　普通にアメリカで仕事をすると思います。

――　日本に来てみたいと思いません？

花近　すっごく行きたいです！　でも日本には行きたいけど、ビザを取るのが面倒ですから。だから大学を卒業したあとで、就職して日本に配られる？

――　えーと、日本に本社か支社があるような会社に入って、日本に来れたらいいということ？

花近　はい。そうです。

――　そうしたら古川さんのライブで花近さんが歌っているところを見たいですね。

花近　私も見たいです。

――　でも古川さんは10メートルあるんですよ。火も吹くし。どうしますか？

花近　ああ、それはぜひ生で見てみたいです！

著者紹介――四本淑三

　1963年生まれ。高校時代にロッキング・オンで音楽ライターとしてデビューするも、音楽業界に疑問を感じてすぐ引退。現在はインターネット時代ならではの音楽シーンのあり方に興味を持ち、ガジェット音楽やボーカロイドシーンをフォローするフリーライター。

■関連サイト

• 花近さんが歌っている動画（ニコニコ動画・マイリスト）