画質を調整すれば見やすくなる
さて、本題に戻ろう。「目の負担が大きい」というMくんのために、3Dの画質を調整してみる。
鳥居:この映像は飛び出し感が派手なので余計に目に負担がかかるかも。ほとんどの3Dテレビでは、3D効果を微調整する機能があるから、それを試してみよう。調整メニューで、奥行き方向(3D効果を減らす方向)に加減してみたけど、どう?
M:あっ。ずいぶん見やすくなりましたよ。この方が僕には見やすいかな。飛び出し感も十分に感じるし、目が痛くなりにくいから画面をじっくりと見られます。うわ! 小魚の群れが凄い勢いで迫ってくる!! あっ海亀が来た。なんか浦島太郎みたいに乗りたくなりますね。
鳥居:3Dを感じるかどうかは個人差もあるので、特に最初のうちはこまめに3D感の調整をした方がいいね。調整をせずに3Dを見続けて、「目が痛くて見てらんない」と投げ出すのではもったいないからね。
ここからしばらくは、Mくんに筆者持参のBlu-ray 3Dソフトをいくつか見てもらった。ただし残念ながら3D対応のソフト数は決して多くはない。実写版の3D映画では、発売されたばかりの「トロン・レガシー」が注目タイトルとなるが、今のところ代表作と言える「アバター」の3D版は一般には発売されていない(以前はパナソニックの3D関連機器を購入すると無料でプレゼントしていた)。
3DCGアニメ作品は比較的制作しやすいこともあって、タイトル数は増えているけれども、やはり実写作品の数が少ないのは物足りないところ。
M:3Dソフトも作品によって効果が派手なものや、3DCGでもかなりリアルな奥行き表現をしているものがあって面白いんだけど、タイトル数がまだ少ないのは物足りないかな。現在のラインナップだけだと、そのためにテレビを買い換えようって気にはならないかも。映画以外のものも見てみたいし。
これは映画館での3D上映も同様だが、3D作品はこれからタイトル数が増えてくるのでじっくりと待ちたいところ。現在大ヒット上映中の「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」の3D BD版の発売が楽しみだ。
普通のテレビ放送も3D化できる
鳥居:じゃあ、「2D→3D変換機能」を試してみよう。これを使えば、通常の2D映像を擬似的に3D化して立体映像として楽しめる。疑似3Dだから3Dソフトほどの効果はないけれども、案外立体感がきちんと再現されるので、ソフト不足をしのぐにはちょうどいい機能なんだ。
M:普通の地デジ放送で試してみましょうか……。画面全体が奥に引っ込んだような印象ですね。でも、わりと手前の人や物は浮き上がったように感じます。
鳥居:歌番組をやっていないかな……ステージのような場所で撮影されたものは、アーティストやバンドの位置関係がわりとはっきりと出るのでわかりやすいですよ。
M:グループが集団で踊るようなステージは、配列の前後感がはっきり出て面白いですね。これはライブコンサートをよく見る人にはうれしいかも。
鳥居:映画なども作品によって効果の差はあるけれども、相性のいい作品はかなり楽しめますよ。ドキュメンタリー映像なんかもなかなか見応えがあります。
M:これがあれば、地デジだけじゃなくて手持ちのDVDなんかでも3Dで楽しめますか? やっぱり自分の好きなソフトが楽しみたいし。
鳥居:もちろんDVDなどの映像も3D化できますよ。自分でいろいろ試したところ、DVDは解像度が低いので3D効果もやや劣ってしまいがち。BDソフトなどハイビジョン映像の方が立体感も得られやすいですね。
M:2D→3D変換があるなら、3Dテレビっていいかも。
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