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スマホ向けのゲーム会社ではなく、次世代のディズニーを目指す

Angry Birds開発元が語る「我々は次世代のエンタメブランド」

2011年06月24日 12時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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中国市場にアニメーション、さらに書籍まで
あらゆるジャンルのビジネスを自ら手がける

 当初20人程度の社員でスタートしたRovioは、現在120人。拡大中のRovioが現在、もっともフォーカスしているのは中国市場進出だ。

 2011年は中国市場でのダウンロード数で1億を目標としており、中国市場向けのカスタムバージョンのAngry Birdsもローンチするという。実際、Rovioの狙いどおりに侵攻が進んでいるようだ。「現在Angry Birdsは中国で最もコピーされているブランドとして、トップ3になっている」。

 「上海、北京などの都市に行くと、ディズニー、ハローキティに次いでAngry Birdsのコピー品が出回っている」とVesterbacka氏は続ける。公式ライセンス製品を売り込みたいところだが、「コピーされていることは、人々の関心の高さを示す」と述べ、「2012年の中国市場の目標は、最もコピーされるブランドになることだ」と言って会場の笑いを誘った。

 だが、Vesterbacka氏は真面目だ。「小規模企業にとって、このようなことは以前は不可能だった」と言う。「モバイルでスタートして、どんなことができるのかを示す例だ。我々は先陣を切ったが、今後このようなブランドが出てくるだろう」と述べた。

 ゲーム、グッズに続いて、Vesterbacka氏が触れたのがアニメーションである。Rovioは2010年にKomboというアニメーションスタジオを買収している。すでに短編アニメーションを公開しており、YouTubeでは1億2000万のビューがあるという。「今後もアニメーションを増やす。短編だけでなく、長いものも創る。いつか映画を創るかもしれない」とVesterbacka氏。「すべての事業で収益を上げる。とても真剣だ。(Appleにとっての)Apple TVのようなホビーではない」とのジョークも忘れなかった。

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 Vesterbacka氏は最後に、クッキング本出版の話が進んでいるとも述べた。卵料理の本のようだが、詳細はステージ上で明かさなかった。どうやら出版社からのオファーがあったがマージンが低いことから断り、ついに自己出版することにしたという。物理的な本、電子書籍の両方で提供する予定で「売上の90%が我々のものになる」とVesterbacka氏が言うと、会場からは拍手が起こった。ここでも真剣にビジネスにするつもりだと強調した。

ヒット作を続けるのは難しいとするが
真剣にディズニーを目指すRovio

 ゲームについては、今年1種類か2種類の新しいゲームを提供する予定というが、Angry Birdsは任天堂のマリオのように同じキャラクターを発展させていく戦略のようだ。「2003年からゲームを作っており、Angry Birdsの前に51のゲームを作った。ヒットを作るのがいかに難しいか体感している」とし、「多くの人が勘違いしているようだが、ヒット作を連発できる企業は非常に少ない。Pixarぐらいだ」と述べた。

 Vesterbacka氏のスピーチはフィンランド人らしいユーモアに満ちた楽しいものだったが、Rovioが真剣に次のディズニーを目指していることは間違いなさそうだ。


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