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スマホ向けのゲーム会社ではなく、次世代のディズニーを目指す

Angry Birds開発元が語る「我々は次世代のエンタメブランド」

2011年06月24日 12時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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 すでにご存じの人も多いかと思うが、Angry BirdsはiPhoneで火がついた人気のスマートフォンゲームだ(関連記事)。2009年にリリースするやあっという間に人気を集め、App Storeでは常時最多ダウンロードアプリとしてランクされている。5月にはついに累計ダウンロードが2億に達した。さらには、Angry Birdsのマスコットのぬいぐるみ、Tシャツなどグッズも出回るなど、スマホが生んだ一大ブランドとなっている。

スマホ向けゲームとして、空前のヒットとなった「Angry Birds」

 このAngry Birdsを開発するのはフィンランドのRovio社だ。「我々はフィンランドのシンプルな人間だ」とRovioを共同創業した“Mighty Eagle”こと最高マーケティング責任者のPeter Vesterbacka氏は語る。

パチンコで鳥を飛ばして、敵である豚を倒すアクション風味が加わったパズルゲームである

2億ダウンロードに達した「Angry Birds」
これを基盤に総合エンタメ企業への変身を図る

 だが、RovioはAngry Birdsの成功に安泰する気はない。一時的なブームで終わらせないよう次の戦略を敷いている。ゲーム会社を目指しているのではないとVesterbacka氏は語る。今回はロンドンで開催された「Open Mobile Summit」で、Vesterbacka氏が披露したAngry Birds/Rovioの成長戦略をレポートする。

 Vesterbacka氏はまず、Angry Birdsのスゴさを示す数値を紹介してくれた。Angry Birdsは2009年11月にリリース、以来口コミでファンを増やした。Rovioは2010年春にダウンロード数で1億を目指すという目標を立てた。

Rovioの共同創業者であるPeter Vesterbacka氏

 「誰も信じてくれなかった。我々は強く信じていたが」とVesterbacka氏は苦笑する。実際、その年の11月に5000万だったダウンロード数は着実に増える。2011年1月には7500万に、3月には1億に達した。わずか2ヵ月後の5月には一気に倍の2億に達したという。

 「信じられないような1年だった」とVesterbacka氏は満足顔で述べる。現在、ユニークユーザーは1億3000万人、世界のファンが1日にAngry Birdsをプレイする時間は合計2億分という。

 では次はどうするのか? 「我々は自分たちをゲーム企業と思っていない。次世代のエンターテインメントフランチャイズだ」とVesterbacka氏。「ゲームをはるかに超えたところを目指している」と続ける。

すべてのプラットフォームにAngry Birdsを提供する
“テトリス戦略”からスタート

 そこでRovioは段階的ステップを踏んでいる。まずはいわゆる“テトリス戦略”。iOS、Nokia(Symbian)、Android、WebOSと主要なプラットフォームに対応済みで、さらに間もなくWindows Phone、Bada向けにもローンチするという。「すべてのスマートフォンでAngry Birdsを利用できるようにする」とする。

 だが、これだけではない。Angry BirdsはすでにPC(Windows、Mac)版があり、ゲームコンソールでも利用できる。最近では、5月初めの「Google I/O」で発表したWeb版がある。このユニークプレイヤー数は1000万人。「悪くない」とVesterbacka氏。「Webは最大のプラットフォームだ。まだ(侵略は)始まったばかりだ」と言う。

 テトリス戦略の次は“ミッキーマウス戦略”だ。Rovioは昨年、Angry Birdsの商品化に着手、ぬいぐるみやTシャツなどのグッズ販売を展開している。ぬいぐるみは発売当初、用意していた数がすべて売り切れるなど人気で、ぬいぐるみは3000万個以上、Tシャツは1000万枚以上を売り切っているという。「ここでも同じことだ。Angry Birdsを物理的なものとして提供する」とVesterbacka氏。

 「戦略は非常にシンプルだ。ファンとブランド、この2つだけ」とVesterbacka氏。すべての意思決定はファンとブランドにフォーカスしてなされているようだ。この“ファン(fan)”と“ブランド”は、同氏のスピーチ中に何度も出てきた。「我々は“ユーザー”とか“顧客”とは言わない。“ファン”と呼んでいる。ファンに素晴らしいエクスペリエンスを提供し、エンゲージしたいと思っている」。

 同時にVesterbacka氏は、“面白い”を意味する“ファン(fun)”という言葉も使う。「Rovioが面白い(fun)もう1つの点は、“ファン(fan)”がゲーム愛好家ではなく、普通の人であることが多いことだ。これまでゲームをやったことがないし、これからもゲームコンソールでゲームをしないような人がAngry Birdsをプレイしている。我々はゲーム市場を拡大した」とVesterbacka氏は胸を張る。

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