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最新ベンチマークソフト「PCMark 7」徹底解剖 第2回

PCMark 7の計測結果を読み解き、PCの実力を探れ

2011年06月23日 12時00分更新

文● 加藤勝明

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重いワークロードはどれかを分析する

計測後に「Log」タブを開けば、各ワークロードが実行された時間や、各ワークロードの結果が表示される

 PCMark 7のスコアを上げる方法を考える前に、まずは計測結果を分析して、どのワークロードが重くなっているのかを、事前に調査してみよう。各ワークロードの実行時間を、ログの記録から逆算してみたのが下のグラフ1だ。もちろんハードウェア構成次第でこの時間は変動する。今回のテスト機構成については、前回のこちらを参照のこと。

グラフ1 ワークロードの実行時間(単位 秒)

お詫びと訂正:掲載当初、グラフの「Image manipulation」の数値に誤りがありました。ここに訂正するとともに、お詫びいたします。(2011年6月27日)

 PCMark 7では、同じワークロードを3回実行するというのは前回でも解説したとおりだが、WoWでのキャラ作成~ロード時間でストレージ性能を比較する「System storage - gaming」を除けば、各ワークロードにかかる処理時間のバラつきは非常に少ない。

 1回目のgamingテストだけが極端に時間を要するのは、実際のゲームを模した作業用データを準備する時間が、非常に長くかかるためだ。上の例では261秒のうち、準備時間で219秒を要しているほどだ。一般的なアプリケーションを使ったベンチマークテストでは、データがキャッシュに溜まっていない初回の結果を捨てることもあるが(あるいは毎回再起動して初回のみを採用)、PCMark 7ではそういう心配をしなくても、精度の高い結果が得られるよう工夫してあるわけだ。

 では次に、CPU負荷の情報を見てみよう。Windows 7標準の「パフォーマンスモニター」を使い、ベンチマーク開始時から次の4つの項目をトレースしてみた。

パフォーマンスモニターで監視した項目。CPUとストレージ周辺を重点的にチェックしてみた

  • ¥Physical Disk(_Total)¥Disk Reads/sec
  • ¥Physical Disk(_Total)¥Disk Writes/sec
  • ¥System¥Processor Queue Length
  • ¥Processor Time(_Total)¥% Processor Time

 パフォーマンスモニターをPCMark 7実行中に背後で動かして、記録したものが下の画像だ。なお、計測間隔は5秒ごとに設定しており、パフォーマンスモニターを稼動させていても、PCMark 7の総合スコアに大きな変動はなかった。

PCMark 7のベンチ開始から1000秒間の記録。3周目テストの後ろの方が切れてしまっているが、1回目と2回目における負荷の違いが読み取れる

わかりやすくするために、各ワークロードがどの時間帯で実行されていたか、おおよその目安になる線を書き加えてみた。ログとパフォーマンスモニターを突き合わせてみると、どのワークロードに負荷が集中しているかがわかる

1秒あたりHDDにどれだけ読み込み要求が出たかを見る「¥Physical Disk(_Total)¥Disk Reads/sec」のグラフ。1回目、特にgamingテストの時(19:35:40~19:40辺り)に、大量の読み込み要求が出ていることがわかる

同じく1秒あたりの書き込み要求の数を見る「¥Physical Disk(_Total)¥Disk Writes/sec」のグラフ。gamingで酷使されてはいるが、2周目以降はほとんど活動していないことがわかる

「¥System¥Processor Queue Length」では、「CPUの実行待ち状態」にあるスレッド数の変化がわかる。中央付近にややイレギュラーなスパイクがあるが、おおむね「Video playback and transcoding」テストの時に、多くのスレッドが待機させられていることがわかる。グラフを見やすくするためにスケールは10倍にした

CPUが「アイドル」以外のプロセスに占有される率(カーネル含む)の遷移がわかる「¥Processor(_Total)¥% Processor Time」の追跡結果。3個見える大きな山は、各周回の最初に実行されるVideoのテストによるものだ。それ以外のCPU占有率はおよそ30%未満で、クアッドコアのCore i7では2コア程度しか使っていないことがわかる

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