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使えばわかる!IPv6入門 第6回

NTTコミュニケーションズが提供する低価格なIPv6接続サービス

国内で実績のあるOCN IPv6でIPv6を使ってみよう

2011年06月28日 06時00分更新

文● 伊藤玄蕃

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OCN IPv6接続プログラムでIPv6接続

 OCN IPv6を利用するには、前述の通りOCN IPv6接続プログラムが必要だ。これは、「OCN IPv6 - ダウンロード -」で入手する。Windows 7/Vista用と、Windows XP用の2種類があるので、間違えないようにしよう。同時に、マニュアルもダウンロードして、作業の前に目を通しておこう。

 インストールおよび設定は、マニュアルの記述通りに行なえば、特に難しいことはない。ここでは、接続先の設定時に指定する「サーバー名またはIPアドレス」に注意しよう(画面2)。前述の通り、自宅や事務所のデスクトップPCにはリスト1の「固定プレフィックス用接続サーバー」を設定し、外出先へ持ち出すモバイルPCには「非固定プレフィックス用接続サーバー」を設定する。また、最初は「動作モード」をホストモードにしておこう。

画面2 OCN IPv6の設定画面(接続先のプロパティ)

 設定が終わったら、OCN IPv6へ接続してみよう。操作方法もマニュアルの記述通りで問題ない。ステータスが「接続作業中です」から「現在接続されています」に変わったら、IPv6インターネットへの接続が完了している(画面3)。

画面3 OCN IPv6に接続したときの表示

 この時、ipconfigでネットワークの状態を確認すると、「Ethernet アダプター OCN IPv6接続」というブロックが増えており、OCNからグローバルIPv6アドレスが割り当てられる(画面4)。

画面4 ipconfigでOCN IPv6仮想インターフェイスのIPv6アドレスを見る

IPv6インターネットに接続できる仕組み

 この接続形態を、図3を使って解説しよう。

図3 OCN IPv6接続プログラムの機能

 まず、OCN IPv6接続プログラムが動作しているPC(図3の①)と、OCNのIPv6接続サーバー(図3の②)の間に、IPv6トンネルが構築されている。そして、PC側のIPv6トンネルの出入口(終端)が、ipconfigで「Ethernet アダプター OCN IPv6接続」と表示される仮想LANアダプターである。つまり、IPv6パケットは、OCN IPv6接続プログラムによりIPv4パケットのデータ部に格納され、そのIPv4パケットがNATルーターやIPv4インターネットを経由して、OCN IPv6接続サーバーへ送られる。そのため、PCのLANインターフェイスとOCNのIPv6接続サーバーのサーバーとの間は、IPv4のパケットさえ通ればよい

 前回紹介したTeredoでは、名前解決ができなかったため、IPv6ホストに接続するにはIPv6アドレスを指定したり、hostsファイルに対象ホストを記述したりする必要があった。一方、OCN IPv6では、IPv6のDNSを使った名前解決ができるため、面倒な操作は必要ない。Webブラウザでホスト名を指定するだけでアクセスできる。ここでは、2ちゃんねるのIPv6サーバー(http://ipv6.2ch.net/)にアクセスして、画面に「踊るひろゆき」を表示してみた(画面5)。

画面5 IPv6で「踊るひろゆき」を見る

 なお、OCN IPv6接続アシスタントをインストールすると、他のPCからのpingに応答しなくなるなど、挙動がおかしくなることがある。これは、PCに仮想インターフェイスが追加され、同時にWindowsファイアウォールの設定も変更されるからだ。

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 次回は、複数のIPv6対応PCでOCN IPv6を共有できる「ルータモード」で利用してみよう。

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