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最新エンタープライズストレージの実力を探る 第12回

「S2」は単なるリニューアルじゃない!

足腰を強化したETRENUS DX新モデルの魅力を探る

2011年06月23日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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ETERNUSブランドで幅広いストレージ製品を展開する富士通。新製品であるエントリ/ミッドレンジのディスクアレイ装置では、ハードウェアの大幅な底上げを行ない、処理能力を高めている。富士通の担当者に新製品の魅力について聞いた。

最新ハードウェアで速度をきちんと向上

 富士通のストレージ事業は、メインフレームのストレージからスタートしており、1990年代後半にRAID対応ディスクアレイ装置「GR700シリーズ」を投入している。2002年にはグローバル展開を標榜し、ブランドを「ETERNUS」に刷新。現在はSANストレージ、NAS、テープ装置はもちろん、仮想化アプライアンス、重複排除ストレージ、FCスイッチなど、OEM製品も含めて幅広いストレージソリューションを展開している。

富士通 システムプロダクト推進本部 エンタプライズビジネス推進統括部 ストレージビジネス推進部長 末雅宏氏

 グローバル展開の結果、現在では世界71カ国で導入実績を誇っており、製品開発にも各国の意向がフィードバックされているという。また、「『The Flexible Data Safe』という新コンセプトの元、メインフレームで培ってきた信頼性とさまざまなソフトウェアの組み合わせにより、ハードウェアに高い付加価値を付与しています」(富士通 システムプロダクト推進本部 エンタプライズビジネス推進統括部 ストレージビジネス推進部長 末雅宏氏)とのことで、さまざまな顧客ニーズに対してすき間なくソリューションを提供している。

 さて、5月末に発表されたのは、エントリのディスクアレイ装置「ETERNUS DX80 S2/DX90 S2」とミッドレンジのディスクアレイ装置「ETERNUS DX410 S2/440 S2」の4モデルになる。DX80 S2/DX90 S2は最大240TB、DX440 S2は最大960TBの容量をサポートしており、従来の8Gbps FC、1Gbps iSCSI、6Gbps SASに加え、10GbE iSCSI、FCoE(FC over Ethernet)に対応した。型番の末尾に「S2」がつくとおり、既存のDX80/DX90/DX400のリニューアルモデルになるが、大幅な強化が行なわれている。

エントリモデル「ETERNUS DX90 S2」

ミッドレンジモデル「ETERNUS DX400 S2 Series」

 新製品の強化点は、なんといってもパフォーマンスの向上だ。高速CPUの採用、内部バスやメモリの強化により、DX80 S2/DX90 S2で従来の2.2倍、DX410 S2/DX440 S2で従来の4.2倍というスループットの向上が図られたという。富士通 ストレージシステム事業本部 ストレージインテグレーション統括部 プロジェクト部長 荒木純隆氏は、「ランダムアクセスはCPUの能力に負いますし、シーケンシャルのスループットはメモリのバンド幅の方が(CPUより)影響が大きいんです。こうした点を考慮し、ハードウェアが持っている潜在的な能力をいかにきれいに引き出すかに配慮しました」と、設計面での工夫もパフォーマンス向上につながっていると説明する。

富士通 ストレージシステム事業本部 ストレージインテグレーション統括部 プロジェクト部長 荒木純隆氏

多彩な機能を幅広いラインナップで使える

 機能面では、シンプロビジョニングや階層化管理(2011年9月のETERNUS SF Storage Cruiser 15で提供予定)など、ミッドレンジの機能をエントリにまで拡大したのが大きい。もとより、DXシリーズはエントリからハイエンドまで数多くのラインナップを揃えているが、「すべての機種で基本的には同一のソフトウェアで提供しており、同じ機能と管理体系を持っています」(荒木氏)という特徴を持つ。そのため、バックアップやDR(Disaster Recovery)に役立つ高速コピー機能や多彩なデータ保護機能などを幅広い機種で利用できる。FCIP対応のスイッチを使った遠隔データ転送や、異なるレンジ間でのリモートコピーも可能で、災害対策やDRシステム構築に役立つという。

異なるレンジ間でのリモートコピーを強化(富士通サイトより抜粋)

 もちろん、エコロジーという点も重視されている。新製品では2.5インチHDDや高効率電源の採用、部品点数の削減により、省電力とスペースの削減を実現している。「エコモードと呼んでいるMAIDの技術はかなり古くから実装しています。通常時はハードディスクを停止させておき、バックアップを開始する際に回転を開始させるといったことをソフトウェアとの連携により、実現しています」(荒木氏)とのこと。

 セキュリティもETERNUS全般の強みといえる。128ビットAESや富士通独自アルゴリズムでのデータ暗号化やアクセス権限を細かく分けられる「Roll Based Access Control」を実装。「昔から金融系のお客様が多いので、セキュリティは特に注力しています。たとえば、ディスク交換の際にデータ消去サービスを頼むと、保守のコストに跳ね返ってきます。しかし、ディスクレベルで暗号化しておけば、HDDを外した段階では、もはや解読ができなくなります」(荒木氏)といったメリットがある。

 DXシリーズにおけるハードウェアの刷新は、エントリモデルの「DX60」はもちろん、ミッドレンジやハイエンドなどでも計画しているという。今後の製品展開も期待したい。

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