実力を実感! 作品の本質に迫るには音の改善は必至
最後に実際にテレビと組み合わせた感想について触れておこう。
まずはBDソフトの試聴から。BDで提供されている実写の映画、音楽番組、テレビアニメなどいくつかのソフトを聴いたが、中でも印象的だったのは、BD版が発売されているアニメ作品の音。
ご存知のとおり、デジタル放送の音声はMPEG-2 AACという形式で圧縮されて放送されている。一方、テレビアニメのBDでは音声が非圧縮のPCMで提供されるのが標準的だ。テレビのスピーカーで試聴した際でも、それぞれの間に差があることは一応は感じ取れるのだが、KS-1HQMで聴くとその差が歴然としていることにハッとさせられる。
BDの音が圧倒的にいいのだ。サウンドトラックや効果音などは芯があり、厚みを感じるというのは言うまでもないが、声優がセリフにこめた細かなニュアンスが克明に描き出されて、作品にこめた製作者の意図がより鮮明に出てくるのだ!
前ページで「リアルな音はより映像の持つ情報をより繊細に感じさせる」と書いたが、これをもっとも感じたのがアニメ作品。カツゼツの細かな表現からしゃべってる姿を連想して、ちょっとゾクゾクっとするような変態的な楽しみ方もできるが、シリーズ前半のちょっと慣れてない演技が終盤に行くにしたがって確固たるキャラ像に変化していくといったまじめな作品の楽しみ方も可能。
テレビアニメはステレオ音声が基本なので、Hi-Fiシステムである本機との相性もいいだろう。
またBDのライブ演奏に関しても、広がりと密度感が適度にブレンドされた充実感ある音調が大変魅力的。会場の熱気が臨場感を持って再現されるほか、使っているマイクが分かるようなストレートで透明感のある再現も中々いい。音量的にも申し分なく、満足度が非常に高かった。特に定位感のよさ、少し翳った音の質感などがいい。小型でもハイレゾ音源とCD品質の音源を克明に描き分ける高いポテンシャルを持つ、KS-1HQMの実力が大いに発揮された印象だ。
またゲームでも効果音が大変リアルで没入感が桁違いに違うが、複数人で聞いた感想では、低域の音圧感をもうひとつほしいというものもあった。ある帯域より下を潔く切らなければならないのは、小型スピーカーゆえやむをえない部分もある。メーカーの説明では内部の調整により低域は若干増強されているが、60Hz付近より下は出にくいのだという。
そこをもう少し強化したいというのであれば、サブウーファーの追加を検討してみるといいかもしれない。サブウーファー側のクロスオーバーを60Hz付近に設定して、自然な表現になるよう音量を調整する。サブウーファーをつなぐ場合は、テレビのアナログ出力から信号を取り出すといいだろう。
なお、KS-1HQMはリモコンによるソース切り替えや音量調整が可能だが、操作のたびにいちいちリモコンを持ち帰るのは少々煩雑という向きもあるだろう。そういう人にお勧めしたいのが学習リモコンの使用。テレビと7台の機器を操作できるソニーの「RM-PLZ530D」など定番的な製品があるので活用してみるといい。5000円程度で販売されており、中々便利だ。
設置性に関しては、左右のスピーカーを接続するためのケーブルがややネックになるが、標準的な2mのケーブルのほかにより長いケーブルも用意されているとのこと。関心がある人はメーカーに問い合わせてもらいたい。
なお、今回はBDやゲームコンテンツ中心の試聴を行ったが、最近ではネットなどに掲載されている動画を大画面のテレビでみるといったニーズも増えているだろう。KS-1HQMとパソコンの間はUSBケーブル、テレビとパソコンの間はHDMIやアナログRGBケーブルで接続すれば、ネット動画の音が意外にいいことに気付くこともできそうだ。こちらも興味があれば試してほしい。
結論 デジタルだから「1+1」で魅力10倍!
解答1 薄型テレビの弱点は音! 良質なスピーカーと組み合わせろ!
解答2 いますぐ「KRIPTON STORE」にアクセスして、KS-1HQMを買え! 5万円でおつりが出て製品と一緒に至福の体験がやってくるぞ!