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Apple Geeks 第42回

この秋登場、「iOS 5」のココに注目

2011年06月09日 16時30分更新

文● 海上忍

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 本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。

 UNIX使い向けを始め、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。

 日本時間の6月7日未明、毎年恒例の開発者向けイベント「Apple Worldwide Developers Conference」(WWDC)がスタートした。なかでも注目されるのは、オープニングを飾る基調講演。今年は公式なストリーミング放送はなかったものの、ライブカバレッジを実施したサイトなどを通じ、固唾を飲んで様子をうかがっていた向きも多いことだろう。その期待を裏切らない盛りだくさんな内容のうち、ここでは今秋リリース予定の「iOS 5」(関連記事)に絞り、要注目の新機能について解説してみよう。

Apple Keynotes(CEO スティーブ・ジョブズ氏基調講演集)
作者 Apple 価格無料
ファイル容量 カテゴリTechニュース
(ポッドキャスト)
対応デバイスiPhone/iPod touch
およびiPad互換、Mac、PC
対応OSiOS/Mac OS X/Windows

クラウドサービス「iCloud」との密なる関係

 もっとも注目されるべきiOS 5の新機能(群)は、新しくスタートするクラウドサービス「iCloud」に関するものだろう(関連記事)。アップルCEOのスティーブ・ジョブズ氏がiCloudを説明する際、約10年ほど前に彼が盛んにアピールしていた「デジタルハブ」(文書や音楽、写真などデジタルデータを管理する役割の中心にMacが位置するという構想)を引き合いに出し、デバイスに変化が生じたためここ数年で機能しなくなったと切り出した。PC/MacとiOSデバイスはいずれもハブの座から外れて、“ヒラ”のデバイスに格下げとなり、今後はクラウド……すなわちiCloudがハブになる、と明言したのだ。

「iCloud」は単なる「MobileMe」の後継にあらず……デジタルハブ構想の「ハブ」となるのだ

 iCloudでは、撮影した写真やスケジュール情報など各種データが一元管理される。連絡先やカレンダー、メールといった「MobileMe」の各サービスはiCloud対応に書き換えられ、クラウド前提で動作するようになるという。撮影した写真をそのままクラウドに転送する「Photo Stream」、Safariの「あとで読む」機能、「iTunes」もiCloudに対応するアプリケーションのひとつだ。

 プレゼンアプリ「Keynote」、表計算アプリ「Numbers」、ワープロアプリ「Pages」で構成されるオフィススイート「iWork」も、iCloudを前提とするアプリになる。文書はデフォルトでiCloudに保存され、その文書が他のデバイスへも自動的にプッシュされるというのだから、そもそも同期を意識する必要がなくなるわけだ。

 デジタルハブ構想いまだ健在也、しかも今後はクラウドがハブになることで、アップルが提唱するコンピューティングは新たな一歩を踏み出すことになる。「秋」まで残すところ3〜5ヵ月、実際のサービスが始まる日を待とう。

Keynote
作者 Apple 価格1200円
ファイル容量119MB カテゴリ仕事効率化
対応デバイスiPhone 3GS以降、
iPod touch(第3世代以降)、
iPad互換
対応OSiOS 4.2.8以降
Numbers
作者 Apple 価格1200円
ファイル容量118MB カテゴリ仕事効率化
対応デバイスiPhone 3GS以降、
iPod touch(第3世代以降)、
iPad互換
対応OSiOS 4.2.8以降
Pages
作者 Apple 価格1200円
ファイル容量118MB カテゴリ仕事効率化
対応デバイスiPhone 3GS以降、
iPod touch(第3世代以降)、
iPad互換
対応OSiOS 4.2.8以降

(次ページに続く)

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